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2002年1月14日現在読んだ本
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スリーピング・マーダー ミス・マープル最後の事件
アガサ・クリスティー著 綾川 梓訳|ハヤカワ文庫 発行|¥640−| |
新婚間もないグエンダは、夫ジャイルズと暮らす家を探すために、一人始めての地イングランドを訪れる。海辺の静かな町ディルマスにヴィクトリア調の小さな売り家を見つけ、何かに惹きつけられるように購入を決めるグエンダ。
スッカリ気に入った家なのだが、住むごとに何か違和感を感じ始めた。始めて住む家なのに、まるで家の隅々までを知っているような錯覚に捕らわれるのだが、それらは全て錯覚では無かったことに気づく。そして遂に衝撃の光景を思い出してしまうグエンダ。
ミス・マープル最後の事件であると共に、クリスティ最後の長編作品です。
久しぶりに読んだクリスティですが、とても最後の作品とは思えない出来の良さだと思います。元祖安楽椅子探偵のミス・マープルが、最後まで若々しく活躍している辺りが感激でした。
事件はグエンダの『奇妙な記憶の中』から始まるのですが、ミス・マープルの忠告も聞かず20年近くも前の「眠れる殺人事件」を掘り起こそうとする二人を、上手にリードし、見事に謎説きのイニシアティヴを握っています。
目撃者探し、容疑者の絞込み、アリバイの追及と、どれを取ってもドキドキさせられ、一気に読ませてしまう筆圧の強さは、お見事でした。
残念ながら『犯人当て』は外れましたが、クリスティワールドを堪能できる秀作だと思います。
ちなみにこれは1976年の作品なのですが、全く古さを感じさせませんでした。
(本書が出版されたのは確かに最後なのですが、執筆されたのは油の乗っている時期だから。その理由は文庫本の“あとがき”をお読み下さいね)
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生存者、一名
歌野 晶午 著 |祥伝社文庫 発行|¥381−| |
鹿児島から遥か南の無人島に、6人の男女が降り立った。彼らは東京都内、ラッシュ時の駅構内に爆弾を仕掛け『無差別殺人』を行った新興宗教団体“真の道福音教会の実行犯4人と幹部の2人だった。
幹部は実行犯に『暫く、ここで身を隠せ。近いうちに国外に脱出させる」と言う約束をするのだが、翌朝に幹部の1人が船諸共、突然消え去ってしまう。
孤島に取り残された5人は、事態が飲み込めないまま孤島での生活を始めるのだが、やがて5人に魔の手が伸びる事になる。
1人、また1人と何者かにより殺されていく仲間達。残された者に高まる不安と不信感。果たして犯人は?そして最後まで生き残るのは誰だ?
2000年1月に祥伝社が『無人島4部作』として発刊した内の1冊です。
ミステリーのプロットとしては、非常に単純でした。それと歌野氏の読みやすい文体も幸いして、2時間ほどで読めてしまったお手軽な一冊。(だってホントだも〜ん)
無人島に残された5人が、1人減り2人減りしていけば、当然犯人は残された者の中に居る事になります。(勿論、地の文に嘘が無ければの話ですが)
ですから、どんなに良い人そうに見えても必ず「誰かが犯人」なんです。もっとも無差別爆弾犯ですから、誰も良い人ではないのですが(苦笑)
そう言う意味では早い段階で犯人の目星は付いてしまったのですが、意外だったのは・・・・・です。(これを書いてしまうと、この本を読む価値は無くなるので割愛)
と言う事で、感想としては「まぁまぁ」って感じでした(辛口ごめん)
ただ犯人らのシチュエーションが『地下鉄サリン事件』をヒントにしていると読み取れてしまうのは、如何な物でしょうかねぇ・・・?
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恋恋蓮歩の演習
森 博嗣 著 |徳間書店 発行|¥1600−| |
天才画家の“幻の自画像”と呼ばれる作品が、人知れず世界一周旅行中の豪華客船に持ち込まれると言う情報が入った。なにやら、きな臭い話らしい。
何でも屋と自称する探偵の保呂草への今回の依頼は、どおやら、その船上で“自画像”を盗み出すことのようだ。時間は、たった1日半。同じアパートに住む紫子と仮の夫婦となり、その豪華客船に乗り込む。
だが出港した船の中から、一人の男が海に落ちたらしいと言う事件が起こってしまう。男が消えたベランダには拳銃まで落ちていた。
瀬在丸や練無も巻き込んだ海の上での事件は、果たしてどうなる!
正直、どうも保呂草シリーズは苦手です。読んでいて、雰囲気や状況が掴み難いんです。今回の事件もそうでした。
大体、探偵が絵を盗むなんて言う依頼を受けるとは思えないし、「依頼を受けよう」と決める心理描写が無いまま事件は進んでしまうので、読んでいて「こいつ、何やってるの?」って感じなんです。
また・・・↓以下、少しだけネタバレの為、伏字です(^^)
絵が盗まれる状況が、どうもおかしいと思います。凄い価値の有る絵を、見張りも付けずに部屋に置き去りにするとは思えませんし、盗まれた絵の隠し場所だって納得できません。
最初に絵の大きさを示す文が有るのですが、その文から判断すれば、盗み出した絵は四つ折りにして持ち出したとしか思えないんです。そんな事有り得ないでしょ?
笑ったのは設計事務所を営む男が、梁の事を『横の柱』と言うシーンですが、今時どんな素人の方だって、「梁」ぐらい知ってるちゅうの!
森さんの作品、嫌いじゃないのですが、近作はど〜も私と合わないようです(笑)
まだ3冊ほど積読本があるのですが、また遠ざかりそうです(爆)
『F』みたいな作品を、また期待しております。
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家の神
鶴見 俊輔 著/安達 浩 写 |淡交社 発行|¥1500−| |
『神』の家ではなく、『家』の神のことを書かれています。戦後の日本における家の中での出来事、あるいは、その役割などを『ある種の神』への感謝の念をこめて書かれています。
・むすびの神
・こころの神
と言った具合に、出産・婚礼・死と言った様々な出来事に対して、家の中に宿る『神』と関連付けて書かれた本で、戦後の生活が写真と共に紹介されています。
初版は1972年で、それを2000年に再編集した物です。
正直、どう御紹介して良いのやら悩んでしまう本でした。書かれている内容に関しては、とってもよく理解できたし納得する事も多かったのです。
例えば出産。ほんの数十年前まで、出産は家の中で行われていました。家族が一丸となり、新しい家族を迎える為に頑張っていたのです。
そしていざ生まれると、「名付け」・「湯初め」・「赤飯」・「祝い客」・「うぶ着」・「着初め」・「出初め」・「屋敷神参り」・「井戸神参り」・「橋神参り」・「雪隠参り」・「宮参り」・「初節句」等など、様々な神への挨拶を欠かしませんでした・・・と言ったふうに、様々なシーンで出会う神との接点を軸に、家の中での家族の有り方を書いた本だと思います。
正直言えば、イベントには地域差もあり、チョッとピンと来なかったのですが、今でも残っている幾つかの習慣のルーツを見たような気がします。
古きを知って新しきを感じる事も大切だと思います。でも、チョッと面白かったけど、チョッと難しかった〜(^^;)
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黒いスズメバチ
ジェイムズ・サリス 著/鈴木 恵 訳 | ハヤカワ文庫 | ¥560−| |
女が差し出す手に触れようと、男が手を伸ばした瞬間、女はスローモーションのように宙を舞った。ゆっくりと地面に倒れこむ女は、2度と再び話す事が出来なかった。ほんの数ミリの穴が額に開いてしまった為に・・・。
フリーの探偵、ルー・グリフィンの目の前で、一人の女が連続狙撃魔の銃弾に倒れた。その瞬間、グリフィンの胸に何かが宿る。黒人と言うだけで意味も無く殴られ、虐げられた者だけが感じられる何かが。
連続狙撃魔の狙いは?そしてグリフィンは犯人に迫れるのか。
たまに読むとハードボイルドは痺れますねぇ〜。これ、『ルー・グリフィン・シリーズ』の3作目と言うことなのですが、その度ごとに設定が変わっているらしいです。今回はクールな探偵役。
事件の背景には人種差別問題なども含まれチョッと難解ですが、ミステリーとしても充分面白かったです。犯人の意外性よりも、犯人と接点を持つ人物が意外な所に何人も隠れているのが最後に明かされています。(あんまり本筋とは関係無いですが)
純粋にクールなハードボイルドをお読みになりたい方には結構良いかも?でも、この世界にドップリと嵌り込むのは危険ですよ〜。だって「死と隣り合わせ」の自虐的な世界ですし、腕っ節が強くて、女にモテ無ければいけないんですから〜。
うんうん、憧れる訳だ(爆)
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二重生活
折原 一・新津きよみ 著 | 講談社文庫 | ¥552−| |
埼玉県入間市でクリニックを開業する藤森亜紀。夫の正宏は製薬会社に勤めているが、現在は諏訪市に単身赴任中で、週末だけ戻って来ると言う生活を続けていた。そんな夫に“浮気”の匂いを感じた亜紀は、探偵事務所に夫の浮気調査を依頼したのだが・・・。
折原氏と新津女史のご夫婦が、共作と言う形で綴る多重構造の罠。貴方はその罠を見事潜り抜ける事ができるのでしょうか。
スッゴク複雑でした。書名から単純なプロットを予想していたのですが、中身は流石共作!捻りまわしているって感じでした。
でも良く考えればそうですよね〜。折原氏は、なんたってあの!●●の折原氏ですし、奥様の新津女史にしても、「イヴの原罪」の怖さが書ける方ですからねぇ〜、そんな単純な訳無いですよね〜(←誰と喋ってるの?)
特に女性の視点で書かれている所の怖さは、男性諸氏には背筋もゾォ〜〜〜って感じだと思います。
でもなぜかニコチャンマークは普通。なぜなら・・・熱でうなされた頭で読んでいたので、イマイチ記憶に無い部分が(^^;)
くれぐれも熱で休んでいる時に読んではいけない本です。
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| ちょっと楽しむ読書は休憩中〜(謎) |
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