感想

                  







普段着の住宅術
中村好文 著|王国社 発行|¥1800−| | 

住宅建築家として活躍する中村氏の住宅論・・・エッセイ集かも?(^^;)



中村さんは、私の好きな建築家のお一人。
故・吉村順三氏の事務所で、建築を学んだの方。その作風は非常に優しく、柔らかく、風にそよぐ樹木のようで、とても暖かいです。ある意味で、宮脇壇さんと似たような雰囲気を感じさせてくれます。

そんな中村氏の住宅論ですから、面白く、読みやすいこと、この上無い!「私もこんなふうに文章を書けたら良いのになぁ〜」と、羨ましがったり妬んだり(笑)

住宅を建てようとする時、こう言う本を読むと絶対に良いと思います。












QED 式の密室
高田崇史 著 |講談社 発行|¥700−| | 

“陰陽師の末裔”、弓削清隆(ゆげきよたか)が密室で遺体となって発見される。
警察は状況から自殺と判断し、事件は幕を閉じる。

それから30年の月日が経つ。成長した清隆の孫、和哉は祖父の死を他殺と考えていた。
大学で偶然知り合った桑原崇が、時空を越え、密室の真相に迫る!

安倍晴明伝説の真実とは?式神とは一体何か?そして“鬼”の起源までもを掘り起こす、衝撃のQED! 20周年特別書き下ろし作品です。



密室の事件は置いときましょう(^^;)
高田氏の【QEDシリーズ】の場合、事件の方はどっちでも良いです(笑)
それよりも歴史的な事柄・事象・謎に光を当て、その疑問を見事に証明してみせる、こちらが本筋・・・・・と、勝手に思っていますが。

今回もまた、お見事でした!個人的には、QEDシリーズ大好きです。今回は、式神の説明が見事で、それであの不条理な(失礼)密室の件も納得させてしまいます。若干、力技と言う感が無い訳では有りませんが、『面白かったか?面白くなかったか?』と聞かれれば、文句無しに面白かったです。

童謡「とおりゃんせ」・「てるてる坊主」の、唄の裏に隠された意味の解釈も、とっても興味深かったです。個人的に、今は高田氏の【QEDシリーズ】一押し。

ただ一つだけ・・・。この本、書き下ろしとは言え、このボリュームで700円は、ちと高い気が?(^^;)

お読みになりたい方は、是非 図書館で借りてください(←軽く営業妨害 ^^;)











月蝕の窓 建築探偵桜井京介の事件簿
篠田真由美 著 |講談社 発行|¥1050−|


栃木県那須高原の一角に建つ明治時代の建築「月映荘」を舞台に、女たちの悲劇は繰り返される。記憶を無くした少女が呟く「赤いお月様」とは、一体何を意味するのか?
明治・大正・昭和と時を経て、今また事件が繰り返される。

建物の調査に来た桜井京介は事件に巻き込まれ、桜井自身の封印された過去と絡み合いながら、事件は複雑な様相を呈して行く。

建築探偵桜井京介シリーズ、第10段!



んんんん・・・っと、篠田さん、行き詰まってる???(^^;)
蒼や神代教授を外し、桜井一人に主人公を任せたのは解ります。桜井のベールに包まれた過去や、謎の老人“門野”の正体など、魅力ある伏線を、どう処理して行くのかは大切な所だと思うのですが、この本に限って言えば、これからの持って行き方を説明しているだけのような気がしなくも無い(辛口御免)

事件にワクワクする魅力が無く、売りの一つである建築にも、ピンと来なかったです。
建築物を魅力的な舞台にするのなら、神代教授は必要だし、もし登場させないのなら「玄い女神」の用に、リアリティが必要でしょう。

また桜井自身の神に過去にスポットを当てるのなら、今回みたいな話の中に伏線を入れるのは、回りくどいような気がします。

今回最悪だったのは、霊感少女「輪王寺綾野」。
このキャラ、全く不要ですし、彼とのあの繋がり方は興醒めも良いところ・・・。

次回作に期待です。











棟井刑事の東京蛮族
森村誠一 著 |新潮社 発行|¥1500−|


17歳になる良家の娘“かおり”が、家出をする所から全ては始まる。
新宿で危ない所を助けてくれた3人のおじさんたち。ホームレスをしている通称“会長”、窓際族のサラリーマン“南雲”、絶頂から転落の一途を辿る経営者の“藤村”。偶然出会った4人は、暫しホームレスの生活を楽しむ。

ところが、かおり達の知らないところで、「かおりの誘拐劇」が始まってしまう。

果たして犯人は?
そしてその事件の少し前に行方不明になった女は何処に?
そして新たな殺人が!

森村氏の社会派?ミステリー



流石森村氏!兎に角、読み易かったです。言葉の言い回しや、ストーリ説明が簡潔で理解しやすかった。

で、ミステリーはと言うと・・・・・トリックとか、密室とか、ダイイング・メッセージとか言うものは全く有りません。世情を反映しながら、淡々と事件が進んで行く「所謂社会派」なので、まぁも、こんなもんかなぁ〜って感じ(^^;)

誘拐犯が身代金を受け取る方法だって、チョッと都合が良すぎるし、第一と第二の事件の接点が、「そりゃぁ〜近すぎない?」って感じでしたが、そんな事はどっちでも良い!

こう言う本に、そんな事は求めてないですから・・・私の場合。
楽に読めて、風刺が利いてて、ストーリーに無理が無ければ、それ充分です。
ただ、会長の正体が「そりゃあ〜無いでしょ〜」と言う感じのオチだったので、ニコちゃんマークは普通でした。

久しぶりの森村氏、そこそこ面白かったです。











墓地を見下ろす家
小池真理子 著|角川ホラー文庫 発行|¥540−|


新築・格安・都心に位置すると言う、抜群の条件のマンションを購入した加納一家。何も問題は無い筈だった。ただ、建物を取り囲む巨大な墓地の他には・・・。

引っ越した次の日から、不可思議な出来事が家族を襲う!モダンホラー小説。



怖いの苦手なのに、無理して読んで・・・怖かったです(^^;)
文章が、読み手を上手に怖がらせるように書かれていて、ストーリーより雰囲気に負けてしまいました。ゴメンなさい・・・もう読みません(^^;)

それと、このマンション『建築基準法違反』ですから、あんな怖い場所が、存在する事はないと思います。完了検査で引っかかっちゃいます(笑)

あと、知らない建物のELVに、迂闊に乗るのは止めましょう〜(若干、ネタバレ?)











三つの墓標 小説・坂元弁護士一家殺害事件
佐木隆三 著 |小学館 発行|¥1600−|内容に配慮して評価無し |


新興宗教“オウム真理教”は、その勢力を拡大しようと、躍起になっていた。その教団の悪行に対して完全に立ち上がった『オウム真理教 被害者の会』の坂元弁護士、並びにその家族を殺害した様子の一部始終を、法廷の陳述記録などを交えて、加害者の視点で描く。

小説版としてあるのは、あくまでも一人称のノンフィクションとして書けないからであって、書かれている事は全て、供述調書や陳述書に因るものであるらしい。



哀しかったです。
なぜ自分達は殺されるのか?誰に殺されるのかさえも解らないままに、殺害された家族。

「宗教」とは人を救うための物である筈なのに、宗教が絡む行為は一番残虐だったりします。宗教戦争然り・・・。

幾つかの小さなミスが重ならなければ、この事件は無かったかもしれないと思うと、残念です。

そんな教団が、名を変え、教祖を変え生き残っていると言う事実もまた恐ろしいし、それに歯止めを掛けられない国の弱さに、憤りも感じます。書いていても虚しいだけですが・・・。

坂元一家のご冥福を、改めてお祈りすると共もに、忘れてはいけない事件として、心に刻んで起きたいと思いました。











眠りの牢獄
浦賀和宏 著 |講談社 発行|¥720−|


たった一人の肉親である妹を溺愛する兄。その大切な妹を階段から突き落とし、昏睡状態に陥らせたのは誰か? 兄は容疑者と思われる3人の青年を、地下の核シェルターに監禁する。開放する条件はただ一つ、『犯人が名乗り出る事』。

同時進行で、外の世界では完全犯罪を目論む計画が、メール交換で進行していた。
二つの事件の接点は? 果たして、妹を突き落とした犯人は誰なのか!



やられたーーー!

ここ数年、こんなに完璧に「やられたー!」と思わせる作品には、お目に掛かったことが無かった!

普段、ミステリーを読むときに『騙されまい』と思いながら読むことなどありませんが、それでもこの作品には参りました。

どう感想を書いても、ネタバレしそうなのですが、浦賀氏の作品を読まれたことの無い方には、お薦め! ただし先入観や、警戒しながら読んではいけません。
あくまでも、純粋に先入観なしで読まれる方が楽しめます。

浦賀氏、こう言う作品も書けるんだぁ〜。次も楽しみです♪

「えっ? 嘘書いてる?」と思った方!貴方は鋭い!(^^;)
実は私も、思い違いをさせられた口なんです。でもあの言葉は嘘でも騙しでもありませんでした。もし、お手元に国語辞典があれば、あの単語の意味を調べてみて下さい。

・・・・・ひょっとして、あの言葉で思い違いをしたのは、私だけだったりして〜(^^;)











ドミノ
恩田陸 著 |角川書店 発行|¥1400−|


広大な広さを持つ東京駅。その東京駅には、様々な人たちの人生が交錯する。
それぞれは、まるで無縁のように感じている人たちも、実はいろんな人たちと連鎖している。そのいろんな人たちが、ある事を機に全てが一点に向かい始めた。

それはあたかも、ドミノ倒しのように・・・。



ドミノ倒しの表現を使ったのは、私の個人的な意見なので、書名の意味は、また別の所に有るかもしれません。兎に角、この本は登場人物が多い!

ストーリーの展開が早いので助かりましたが、他の方の書いた作品なら、途中でめげてたかも?

その多くの人物達の事件を、交互に書いているものですから、油断していると頭がゴチャゴチャになりそうでした(^^;)

面白かったですが、個人的には本格物の方が良いなぁ〜〜〜。



恩田陸氏の「黒と茶の幻想」を図書館で借りてます。
返却日間近なのに読めないかも?・・・・・この本、厚すぎる(^^;)