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ヒトラーの建築家
東秀紀 著|NHK出版 発行|¥1700−| |
1938年(昭和13年)ドイツはヒトラーがナチス党の党首として、その地位を確立しつつあった。幼い頃から建築家に強い憧れを持っていたヒトラーは、自信の勢力拡大と、ドイツの脅威を世界に示す為、大きな都市計画構想を抱く。それが「ゲルマニア計画」。
その「ゲルマニア計画」の総指揮を任されるのが、偶然の出会いから不思議な友情を育む、不遇の建築家アルベルト・シュペーア。シュペーアはヒトラーと建築を通じ、友情にも似た感情を抱きあう。しかしヒトラーは都市構想の夢を語ると同時に、第二次世界大戦への引き金を引いてしまう。
後に軍需大臣に任命されてしまう建築家シュペーアの生涯を通じ、「建築」と「第二次世界大戦のドイツ」の両極を描いた小説。
ただしシュペーアの手記や、建築家・谷口吉郎の「せせらぎ日記」などを元に書かれているので、殆ど現実と思って良いのかもしれない。
伊東忠太・谷口吉郎・コルビジェ・シュペーアと、数々の建築家が戦争の真っ只中を生きています。
「建築」とは都市を、建物を造ること。そして「戦争」とは、それらを破壊すること。
その二つの役目を同時に背負わされてしまったシュペーアの苦悩と、第二次世界大戦のドイツの行為を内側から描いていて、読んでいて「夢」と「狂気」を感じました。
ドイツがフランス・イギリスへの侵攻作戦中、圧倒的な勝利を収めるのは、何を隠そう、このシュペーアのお陰だったと言う事も知らなかった。近いうちにヒトラーの「我が闘争」も読んでみたいです。
余談ですが、この「我が闘争」と言う本は、ヒトラーが総統になる前、つまりヒンデンブルグの時代に捕らえられ、牢獄で書かれたもの。
序に言えば、戦後の谷口氏の処女作となる「藤村記念館」を設計するに到る話にも、大いに興味を惹かれました。
歴史好き・建築好きの方にはお勧めです!
今年一番面白かった本かもしれません。
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ベルナのしっぽ
郡司ななえ 著 |角川文庫 発行|¥600−| |
盲障害を持つ著者は大の犬嫌い。子供の頃、犬に襲われてからと言うもの、決して近づく事をしなかった。しかし、どうしても子供を産みたいと願い、子育てをする為に自分の目となる盲導犬をパートナーにする決心をする。その盲導犬の名がベルナ。
ベルナとの出会いから別れまでを、子供の成長、盲導犬の事などを交えながら書かれています。
号泣でした。私、こう言うの苦手です。(でも読む変わり者)
盲導犬の人生(犬生)って、無償の自己犠牲の上に成り立っているような、気がしていました。だから盲導犬として活躍できなくなったら、パートナーから引き離されてしまう・・・。
愛玩犬とは違う感じがして、今までは盲導犬の立場で見ていたような気がします。でも、この本を読んで猛烈に反省しました。盲導犬は決して不幸では無いと。
また健常者でさえ、子育ては大変な苦労と悩みの連続なのに、著者夫婦は盲障害を持つ身でありながら、立派に子育てをしています。その苦労談にまた涙。
我が子同然のベルナが、癌に犯され死んでいきます。そして最愛の夫も。さらには2頭目の盲導犬までもが・・・。それでも一人息子と、逞しく生きていく著者の姿にまた涙・・・。
子供に読んで欲しい一冊かもしれないし、盲導犬の事を良く知らない方、あるいは学校関係者の皆さんは、一読の必要がある本かもしれません。
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海辺の家
マーク・アンドラス脚本/小島由記子編訳 |竹書房文庫 発行|¥590−| |
CG全盛の建築業界で、ジョージは手造りの模型に拘ったデザイン手法をとっていた。それは事務所にとって、古めかしい・時間ばかりの掛かる時代遅れの作業と見られ、事務所をクビになってしまう。
妻とは10年前に離婚し、妻に引き取られた一人息子のサム(16歳)も心を閉ざしていた。挙句の果てにジョージは癌と診断され、余命4ヶ月との診断を受ける。
自分にとって最後の夏を、自分の「夢の家」を建てる事で、サムとの親子の絆をも取り戻したいと願うのだが・・・。話題になった映画の原作本です。
父と息子と言うのは、どうしても「ある年代」で衝突するものだと思います。でも別に、心から嫌いになった訳じゃない。ただ子供の時のように単純に心を開けず、かと言って大人のように、割り切った会話も出来ない。そんな感じかもしれません。
この親子、どちらもとても孤独感に苛まれています。そんな気持ちが、何となく解る。
初めは家造りを、嫌々手伝っていたサムですが、有る瞬間に大人の男に変わっていく。
本では泣けなかったけど、映画で見たら、チョッとやばいかも。
余談ですが、ジョージの作った模型が見てみたい(^^)
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うらやましい死にかた
五木寛之 編 |文春文庫 発行|¥400−|(内容に配慮してマークなし)
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様々な職業、年齢、性別の方が、自分の両親や身内と言った近しい人たちの「死」について書かれた手紙?のような物を集めた本です。
その編集を五木氏がされていますが、五木氏が『こんな死に方は羨ましい」と感じたものばかりだそうです。
失敗しました・・・。この本、重すぎました。
自分のテンションが低い時に、こんな重い本を読んだら、ドンドン凹むばかり。
途中で投げ出したくなりましたが、何とか最後まで頑張った!って感じです。
いつか元気な時に、もう一度読みたいです。
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樒/榁 (しきみ/むろ)
殊能将之 著 |講談社 発行|¥700−| |
『天狗の斧』が御神体として祭られている神社から、その斧が盗まれれると言う事件が発生した。そして、その斧が発見されたのは密室の中だった。斧が頭に刺さった状態で死んでいる男、果たして密室の謎は?天狗の正体は?
他、一編収録。
スイマセン・・・・・。何処が面白いのか、全く解りませんでした(辛口でゴメンなさい)
密室の謎・天狗の真実・その他の○○(←未読の方に先入観を与えたくないので伏字です)、どれ一つとっても「ふぅ〜ん」って感じで、何の驚きも魅力も感じませんでした。
これだけ密室殺人や推理小説が書かれていると、新しい密室トリックを生み出すのは、至難の技なのでしょうが・・・。
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