感想 |
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オルゴール
中園直樹 著|文芸社 発行|¥800−| |
小さなオルゴールをきっかけに知り合った少年たち。
二人はお互いに心に傷を持つ、あるいは持っていた少年達。
オルゴールの音が、二人の心の傷跡に溶けていく。
ネットで話題になった(らしい)実話を元にして書かれた話。
イジメって、「力の強い奴が、力の弱い奴を奴を攻撃する」ことじゃなくて、「意地の悪い奴、心が曲がっている奴が、優しい奴の心を引き裂いていく」事だと思う。
だから優しい奴が、いつも犠牲になる。良い奴が死んでいく・・・・・。
で、死んだ後で気付くんだよね・・・・・あいつは良い奴だったって。
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ミレニアム 2000
永井するみ 著 |双葉文庫 発行|¥648−| |
2000年を目前に控え、パソコン全盛の社会は「2000年問題」に深刻に頭を抱えていた。
そんな時に、システムエンジニアとして多忙を極める真野馨の上司で、不倫相手でもある久武が何者かに殺されると言う事件が起きる。
時同じくして「2000年問題」を簡単に解決する画期的ソフトの「インドラツール」がリリースされる事になるのだが・・・・・。
2000年問題を軸に描かれる永井ワールド。
永井作品の場合、その軸となる背景の情報が凄くシッカリしているので、読んでいて安心できます。
永井作品には、ズッと社会派的なイメージを持っていたのですが、それと同時に恋愛小説的な色も強くて、女性を、しかも働く女性を描かせたら本当に上手だと思います。
この主人公の馨にしても、働く女性の強さと弱さが上手に書かれていて、だからこそ事件に・・・と言うか、小説全体に緊張感があるのだと思います。
と言うことで○。
余談ですがシスオペって、こんな生活なんだ〜(笑)
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麦の海に沈む果実
恩田陸 著 |講談社文庫 発行|¥714−| |
人里離れた辺境の地に、全寮制の、ちょっと特殊な学校が存在した。
その学校では「三月以外の転入生は災いをもたらす」と言われていた。そんな学園に一人の女子生徒が転入してくる。二月最後の日に・・・・。
パーティ会場から消えた女子生徒、コンサート会場から消えた男子生徒。不可解な事件が学園を包む。
ちょっとファンタジーチックな学園ミステリー?
転入生の理瀬が、電車で駅に降りる辺りから「ん?何処かで読んだような気が?」と思っていたのですが、良く考えたらハリポタの世界でした(笑)
駅に迎えに来ていたおじいさんも、風貌こそ違えど、意味合い的にはハグリッド。
なんだかなぁ〜(←阿藤海?)
恩田さんの「六小夜」的な雰囲気の作品は嫌いじゃないのですが、ファンタジックな色が濃くなると、ミステリーとしては読めなくなるので微妙なところです。
最初からファンタジーとして読むのなら、問題ないんですが・・・。
あと、理瀬の正体に、最初から(なんとなく)気が付いてしまった私が凄いのか、誰でも気が付くのかは謎です。
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ある閉ざされた雪の山荘で
東野圭吾 著 |講談社文庫 発行|¥533−| |
オーディションに合格した7人の俳優が、乗鞍高原のペンションに集められた。
理由は、そこで舞台稽古をするため。
舞台設定は「雪で孤立した山荘の殺人劇。外部との連絡は不可能。」と言うもの。
始めは馬鹿にしていた七人だが、最初の夜に本当に一人が消えてしまう。
これは芝居なのか?現実なのか?
東野氏の本格ミステリー♪
こう言うの大好き!
「外界から隔離された山荘」なんて条件設定は、今ではなかなか難しいですが、そこは上手に処理してされています。
で、そこで一人目が消える。後には紙が一枚残されていて「死体は首を絞められている」とか書いてある訳です。くぅ〜上手い!この紙に状況が残されていると言う処理が実に良い。って言うか、他の方法は無いでしょうしね。たぶん、この方法を考え付いたから、この状況設定が出来たのかもしれません。
これは芝居なのか?本当の殺人事件なのか?
外部に電話を掛けたいけれど、掛けたらオーディション合格は取り消すと言う条件で始めた稽古。その葛藤や、少しずつ崩れていく均衡・・・、こう言うのイイワ〜♪
最後の落とし方も、どんでん返しが利いていて、とっても良いです。
本格物が好きな方にはお勧め!
ちなみに建築探偵の私は→(以下ネタバレ)建物の平面図を見た時に、違和感を感じたのでした。だからなんとなく、ここに何かある!って言うのぐらいは気が付きました。もし読む前に事件の真相を暴いてやろう!なんて、ミステリー作家の敵のような方は、平面図を穴が開くほど眺めてみましょう。事件が起これば起こるほど、ここが怪しい!と言うのが分かる筈ですから(←こう言う発言もミステリー作家の敵的発言/笑)
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修羅の終わり
貫井徳郎 著|講談社文庫 発行|¥1095−| |
新宿の路上で目を覚ました時、男は全ての記憶を無くしていた。失われた記憶を探す男。
捜査上で知り得た情報をネタに、女性をレイプする暴力的な刑事鷲尾。
派出所を連続爆破する秘密結社“夜叉の爪”。その組織を追い続ける公安の刑事、久我。
3つのストーリーが一つに繋がる時、事件は意外な終末を迎える。
ホント安心する。貫井さん、外れが無いもん!
「あ〜買わなきゃ良かった〜」なんて後悔しなくて済むと言うのは、本当にありがたい・・・と言うか凄い。
この作品もそう。790頁もある作品が、あっ!っと言う間に読み終わってしまうぐらい、作家の筆圧が高いです。
3人の事件がそれぞれ魅力的だけど、特に記憶を無くした青年の話だけが「警察」と関係無い所で進んでいて、一体どう結びつくのかと思ったのですが、まさかそうくるとは(驚)
貫井さんの凄い所は、登場人物が一人一人、チャンと生きてるんですよね〜。
紙の上に書いた文字じゃなくて、チャンとした人間が動いてるって感じさせるところが凄いと思います。
貫井氏が描くハードボイルドな作品・・・エガッタ〜、堪能した〜。
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