essay 26 大人は辛い・・・
| 設計の仕事に限らず、仕事に忙しさの波は付き物だ。私の場合など、暇になると何をしようか考えるほど暇だし、忙しくなると「もう勘弁してくれ〜」と言うほど、次から次へと依頼が舞い込む。(ウソ!見栄張りました!そんな経験ほとんど無い) だから、私は暇になると「フリーライター」に変身することがある。(本人は、ソアラに乗っていない浅見光彦みたいだと思っている) 先日も、ある会社に「ハウスメーカーのトップセールスマンに聞く」と、言う内容の原稿依頼を受けた。暇な私は「ハイハイ!」と軽い返事で引き受けてしまう。 チョット節操が無いかもしれない・・・。 さっそく、地元の住宅展示場に営業所を構える「大手ハウスメーカー」に連絡を入れた。電話で、取材の内容や写真を掲載する事など細かく説明し、運良く了解を得る事が出来た。 翌日、指定された時間に伺ったのだが、手ぶらも失礼かなぁ?と思い、「気持ちだけのお礼」だが、私の好きなバーボンを手土産にした。 (原稿料は安いのに・・・大人でしょ?私) 伺ったのは、展示場の中に建つ住宅。中に入ると、それはきれいに作ってある。 まるで「リカちゃんハウス」のようだと思いながらも、「仕事、仕事」と自分に言い聞かせ、待たされる事5分・・・。 不機嫌そうな顔で現れたのは、アポを取った営業所長を兼ねる30歳のKさん。(なんで、アポ入れてあるのに待たされるの?) ニコリともしないKさんに、手土産のバーボンを渡し、もう一度取材の内容を確認した。こちらも、慣れたものだから「質問事項」を用意してあり、取材は約束の時間より5分短く終わった。(なんと効率の良い・・・また自我自賛) 話の中でKさんは、「お客様との信頼関係を一番大切にしております。常に自分より相手のことを考えて行動し、お話することが私のポリシーです」と熱く語っていた。(なるほど・・・・・良い事だ) 丁寧に礼を言い、後は本人の写真を撮ってお終いという段になって、何を思ったのか、急にKさんは席を立ちどこかへ行ってしまった。 意味が判らず、また待たされる事5分・・・。やっと戻ってきたKさんの口から 「今日の取材は無かった事にして下さい!」との、意味不明の言葉? (なにーーーーーーーー!!??) 思わず「はぁ〜〜〜?」と、人を食ったような返事をしてしまった。 「えっ!えぇっ?どうしてですか?」と訳を尋ねたが、なかなか口篭もって話してくれない。私だって、遊びで来てるわけじゃない!理由も聞かずに「はい!そうですか」と帰れるはずも無い。 重ねて尋ねてみると、言い憎そうに話し始めた。 「実は、念のため本社に確認したところ、その取材は本社を通せ!」と言われてしまったとの事。(なんじゃそりゃあ???) 「でも、昨日お電話で全てご説明しましたよね?その上でのご了解ではなかったのですか?」と聞くが、まともな返事も返せるわけも無い。(さっきまでの勢いがウソのよう・・・) この人・・・確か「自分の事より、まず相手のことを考える」と言っていたよな?何処が、相手のことを考えてるんだ?そっちは、暇つぶしかもしれないけど、こっちは仕事だ!何の為に、事前に詳しく説明し了解を求めているのか、判って無かったのか? Kさんは、手土産に渡したバーボンを付き返しながら「これ、持って帰って下さい」と意味不明の返答?私の質問にまったく答えてない。(あほかコイツ?) 本来なら「当然だ!」と、持って帰りたいのは山々だが、こっちだって意地がある。 一旦出したものを、引っ込められるわけも無い。(あんた!契約前の客のところに手土産持って行って、契約が取れなかったら持って帰るのか?)と聞いてやりたかったけど、止めた・・・・・私は大人なのだ。 さあ〜困った!原稿提出の締め切りは近い!次の取材相手を探さなければ、果たして間に合うのか?ピンチ!こんなところで、油を売ってる場合じゃない!と、焦ったのも一瞬だけ。 とっても頼りになる方の、ご紹介で次の取材先が見つかりました。 (あぁ〜〜〜良かった!先生、また借りが増えました) まぁ、今回の事は良い勉強になった。 本当に、相手の身になって考えると言う事は、相手の立場や状況を理解した上で、自分が行動すると言う事だ。 設計者と言うのは、とかく自分の主義や思想を、知らず知らずのうちに、建築主に押し付けがちな場面がある。それが相手に、どんな影響を与えるのかも考えずにプランを練ってしまう。 私も気を付けなければ・・・・・だって私は大人だから・・・・・。 ふぅ〜〜〜大人は辛い・・・。 |
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