essay 42 失敗しない家造り 1

もう、8月ですねぇ。早いものでホームページを立ち上げてから、今日でちょうど2ヶ月が経ちます。この2ヶ月の間に、「住宅」に関した悩み事を抱えている方から、メールやお電話を頂戴しました。どの方の問題も、「そんなことがあるのか?」と驚かされる事ばかりで、悲痛な叫びを上げる方々ばかりでした。


中には、「こんなことなら、探偵長にお願いすれば良かった」と言って下さった方もいらして、嬉しいやら心中察すれば切ないやら・・・複雑な想いを感じています。

そこで、少し具体的に皆様のお役に立つ「失敗しない家造り」の注意点を、初歩的な事から、箇条書きにしてみることにしました。少しでも参考になれば何よりです。


【新築住宅の場合】


■見積もりを1社に限定しない
これは、1社に限定する事により建設会社主導の工事や作業にしないためと、適切な金額を判断する為です。


■建設会社は近くの業者を選ぶ事
遠い会社だと、作業に関してばかりか、将来的なアフターに支障が出る場合もあります。


■業者選定のポイントの一つは、アフターサービスの体制
10年保証と、うたっていても実際に対応してくれなければ「絵に書いた餅」と同じ事。その会社のアフター状況や、実際の話しも詳しく確認して下さい。


■工事体制の確認
大手のハウスメーカーと言えども、実際には丸投げで下請け・孫請け工事になっているところは少なくありません。中には、現場監督さえ居ないところもあるようです。これでは、どんなズサンな工事をしていても不思議ではありません。


■値引きさせたと喜んでいるようではダメ!
値引きの交渉は付き物ですが、実際に値引きしてくれた分は、材料の低下や作業の簡略化に繋がる事もあります。どの部分・どの材料と正しく確認する必要があります。


■担当者を替えてもらう勇気を持つ
大切な家の話しです。どうも好きじゃない営業マンや設計者・現場監督は、貴方の希望で替えてもらって下さい。嫌いな人間と一緒に造る家が、「良い家」なはずが有りません。


■見積書と仕様書の確認は契約前に
これ、当たり前ですね。私のような設計者に設計依頼する場合、仕様書などは事前に出来あがっているものですが、大工さんや建設会社の場合
、仕様書が明確で無い場合もあります。あとで、後悔しないように事前にチェックして下さい。


■請負契約書は、とにかく良く読む
工事遅滞・保証・瑕疵、その他災害時のことなどを必ず、ご自身で納得するまで読んで下さい。実は、ここを読まずに泣き寝入りする方が、かなりの数でいるのです。めくら判は0点です。


■建設会社の保険のコピーを貰う事
建設会社がかける保険には、2種類あります。一つは、工事現場内の事故に関する保険(例:火災保険など)。もう一つは、現場外で起こる事故に関する保険です(例:運搬中の木材が車から落ちた等)両方に入ってもらっても、住宅程度の工事なら数万円程度です。これ、以外と入っていないんです。


■工事範囲の明確な確認作業も契約前に
どれが、見積もりに含まれている本工事で、どれがオプションなのか?後から揉める事の無いようにして下さい。


■工事中の変更事項は、明文化してもらうこと
流し台の仕様が変わったとか、照明器具が増えたとか、とかく変更は付き物です。その都度、キチンと変更箇所と金額の増減を記録として残すようにして下さい。


■地盤調査は絶対必要!
良く「建て替えだから」とか「この辺りの地盤は良いから」と言って、地盤の調査をしたがらない方が居ます。確かに数万円の費用は必要ですが、それを節約するよりも、安全に配慮するべきです。節約すべき個所は、他にいくらでもあると思います。木造住宅でも地盤の確認は必要なのです。


■建物のプランは利にかなったものを
設計図の中では、貴方の家の周りには何も立っていないと思いますが、実際には隣の家の窓や、玄関、犬小屋や見える景色など、色々な物が存在しています。それを無視したプランでは、快適には暮らせません。


■設計者不在なら止めた方が無難
住む方と、設計者が直接お話しもせずに設計を進めるような会社は、まず止めておいた方が無難でしょう。プランの質が低いのは元より、一時が万事、その調子で工事も進むと予想されます。「お客様の一生住む家を造る」と言うよりも、流れ作業で仕事をしているだけになりがちです。


■工事現場が汚れている時は要注意
工事中の現場に、空き缶や煙草の吸殻、材料や道具などが散乱しているような会社は、まずダメです。職人や現場監督の質以前に、会社の管理体制も基本理念もなっていません。欠陥が見つかっても、逃げるような会社と言っても過言ではありません。


■住宅金融公庫を使う場合は仕様書を良く読む
「住宅金融公庫」の融資を受け、建物を建てる場合、金融公庫の仕様書が付いてきます。これを良く読むだけで、貴方の知識は今の数倍に跳ね上がります。


■設計の際には「今の家」を設計者に見せる事
現状の良い点・悪い点を認識せずには、今より良い家を造る事は出来ません。「散らかっているから・・・」と嫌がらずに、見せてあげて下さい。散らかる事を解消する家を設計してもらえますから。


■その会社が建てた建物に住んでいる人の声を聞く
例えば私なら、私が建てた建物に住んでいる人の声を聞く事をお勧めします。良い点も悪い点も、正直に聞けると良いですね。


■女性の考え方を理解できる会社が良い
契約を交わすのは、多くの場合その家のご主人であることが多い。つまり、営業マンのターゲットは、ご主人になる訳です。ご主人に契約させる為に、奥さんを口説く事になるのです。その辺りをチャンと見極めて下さい。でないと、女性の使いにくい家になる場合がありますから。


■設計事務所を探すのは家を見て
雑誌やテレビで探す方法もありますが、本当に自分に合う設計者を探すなら、街中で見かけた住宅に飛びこむくらいの勇気が必要です。そして、その建物の設計者を聞いてください。電話帳では、見つけにくいでしょ?


少し長くなりました。この続きは次週にUPします。少しだけお待ち下さい。また、「こんな時の注意点は?」などと言った、ご質問等も御寄せ頂けると幸いです。

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