Essay 65  夫たちの建築学入門 特別編

奥さんの連日の攻撃に耐えかねて、家を買うことを決意せざる得ない状況に追い込まれたご主人は、自分なりに情報収集を始める事になる。


まずは会社で、最近家を買った上司に、その辺の話を聞こうとするのだが、「うちは女房に任せっきりで、こっちの仕事はもっぱらローンの心配だけだよ!あははは」と、アッサリと冷たいお言葉を頂く・・・。


「これはいかん!自分は違うぞ!本を買って勉強するのは、女房がやっているし、こうなったら自分で考えよう!」という短絡的な結論になる。


その結果、家の事なんかまったく知らない夫は、台所の事や寝室の事などは、考えられないので、仕方なく「まずは自分の部屋を作ろう!そう、小さくても良い!自分だけの城をを作るんだ~~~!」と一人勝手に盛り上がり始める。(いかに普段、虐げられているのかがよく判る)


調子の乗ってきた夫は「それと、玄関の近くには客間を作ろ~う!洒落た床の間に掛け軸なんか飾ったりして、そしたらこれからは、和服だな ワッハハ。そうそう元旦の朝には、その部屋で家族全員に新しい洋服で正座させ、今年の抱負なんか語っちゃったりして~」と、根っから能天気。虐げられるのも、判るような気がする。


何とも直球勝負のご主人だが、それも仕方ない。しかし、そのお粗末ながらもご主人の考えた希望は、すべて却下されることになる。


「書斎なんか必要ないでしょ~。どうせ、そんな部屋作っても、やる事が無いじゃない?それと客間なんか必要ないわ~。邸宅ならともかく、うちは小さな家なんですからね!大体、貴方の給料が▽%*☆★●○§≦>#*」(書くに忍びないから割愛・・・)


奥さんの言葉に、返す言葉等ある筈もなく、かくしてご主人の勉強の成果はどこにも現れることなく、奥さん主体の家作りが決定するのである。まあ、勉強と呼べるような事もしていないので、仕方のない結論ではあるが。


余談ではあるが、最近の家で見かけない物がもう一つある。それは小便器である。現在は洋便器の普及により、殆どの家庭から男性用の便器が消えてしまった。つまり、女性のスタイルに男性が合わせている事になる。


男のお子さんをお持ちのお母さんなら、1度や2度は経験があると思うが、男の子は小さい時に、なかなか真っ直ぐにオシッコを飛ばせないのである。当然、便器の回りを汚してしまう事になるのだが、お母さん方にはその辺の事情がなかなか理解出来ないので、「また、この子は汚して~!」と怒鳴りつけてしまう事となる。けして子供が悪いわけではないのだが・・・。


オシッコごときの事で、小さい時から母親に叱られ続ける男の子は、大人になっても「女性の方が強い」と思い込んでいるとか、いないとか・・・・・?


最近の男は軟弱になってきたと言われる原因の一つに、この辺りの女性中心の家が、まったく影響ないと誰が言い切れるだろうか?


思わぬ方に話が脱線してしまったが、そんな訳でご主人のはかない希望は、小便器のように消えてなくなり、結局ご主人は口を出すのを諦めてしまう。


「後はおまえに任せたから、よろしく頼む!じゃあ、行ってきます」と言い残し、夫の家作りは、あっさりと幕を閉じるのであった。
 

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