Essay 107 プロの仕事とは

私はホームページの中で、住宅の話を中心にしています。と言うか、そればかりです。
と言うのも住宅を設計するのって、やっぱり面白いんですよね~。そりゃあ~大きなマンションや、テナントビルを設計するほうが収入も良いし、仕事の効率もいい。それに目立つしね(笑)

ところが家の話ばかりしていると、他の設計はしないんじゃないかと思われるようですが、そんなことはありません。依頼さえあれば犬小屋の設計だってしますし、国会議事堂もやってみたいです。


冗談はさておき、今いくつか抱えている計画の中に【美容室】と【写真館】の計画があるのですが、他のお仕事のプロと話すと言うのは実に触発されるもので、お話していて楽しくなることがあります。


例えば写真館のオーナー、つまり写真家の方が言うには
「私が撮った写真を何年、何十年後に、その方々が見たときに写真家の名前なんて覚えていないと思います。でも、それで良いのです。私の仕事はその方たちの大切な一瞬を、最高の状態でいつまでも留めておくだけなのです。それが私の誇りですから」なんて具合に仰る。


また美容師の方は
「女性にとって美容室は“キレイになる場所”ですが、ヘアースタイルだけでなく、お帰りの際には心まで綺麗になれるような、そんなふうに鋏を入れたいですねぇ」と仰る。
流石、プロ!と感心すると同時に、「この方たちの舞台ステージを造りたい」と思っちゃいます。


そんな気持ちのときに、別の方と話したんです。
「私たちの家を作ってくれる職人さんたちが、何年後かに覚えていてくれるような家に住みたいんです」と言われました。それは珍しい家が欲しいと言うことではなく、流れ作業のように今日の午前中はあそこの家の仕事をして、午後からはあっちへ行って・・・と言うように、工場の部品を組み立てるように作られるのは嫌だと言うことなんです。


作ってくれる職人さんたちが、作っているものに愛着や拘りを持ってくれないような家では、折角作る家なのに寂しいと言うことなのでしょう。まったく同感です。どんな職業でもプロはプロです。自分の仕事に愛着を持ち、自信を持って「良い仕事」をしなければ、きっと心のどこかが寂しいのではないでしょうか?


計画中の美容室も写真館も、いつかこのサイトでご紹介できると良いですね。きっと心まで美しくしてくれるヘアーメイクをして頂けるでしょうし、何十年後に見ても今日の笑顔を思い出させてくれる写真を撮って頂ける事でしょう。


そんなお店に、行ってみたくないですか?「本当のプロの仕事」って、そう言うものだと思います。私も負けないように頑張らねば・・・。

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