Essay 118 われは草なり

われは草なり


われは草なり 伸びんとす
伸びられるとき 伸びんとす
伸びられぬ日は 伸びぬなり
伸びられる日は 伸びんとす

われは草なり 緑なり
全身すべて 緑なり
毎年かはらず 緑なり
緑のおのれに あきぬなり
われは草なり 緑なり
緑の深きを 願ふなり

ああ 生きる日の美しき
ああ 生きる日の楽しさよ
われは草なり 生きんとす
草の命を 生きんとす


高見順 作

高見順 作


突然で驚かれたかもしれません。これ明治時代の有名な詩人「高見順氏」の、われは草なりと言う詩なのですが、やっぱり今読んでも感動しちゃいます。後世に名を残すだけのことはありますよね(失礼) 


この詩、小学校の国語の教科書に掲載されているものなのです。今、日本の学校に使われる歴史教科書の問題が大きく取り沙汰されているので、少し興味を持って見たのです。そしたら、歴史の教科書より国語の教科書の方が面白くて、1年生から6年生まで一気に全部読んじゃいました!こんな事やってるから、夜寝る時間が無いんじゃ~。でもね、改めて考えちゃったんです。学校ではね、子供に命の尊さや自分自身であることに誇りを持つように教えているんですよね。それなのに「家では親が子供の命を削る事さえある時代」なんだなぁ~って。


親って子供に勉強しろって言いますけど、じゃあ子供がどんな教科書で、どんな勉強をしているかを知っている人って少なく無いですか? もしお子さんが教科書をお持ちの年代ならば、一度その教科書を手にとって見ては如何でしょう?ひょっとすると子供と一緒に、親も楽しめるかもしれませんよ?まして本好きの方ならね。


ちなみに「星新一氏」も「小松左京氏」も教科書の中に登場していますからね~。興味持ったでしょ?
私の子供時代もこんな教科書なら良かったのに~~~!英語の教科書にコナン・ドイルやクリスティーの文章が載っていたら、きっと今頃は英語ペラペラだっただろうに。


息が詰まるような親子関係も、親子の共通の話題が無いと嘆かれる方も、教科書を通して「私の子供時代に読んだ小松左京の日本沈没と言う本はね・・・」なんて、意外と会話が弾むかもしれませんよ?それだけで、教科書の役目は充分果たせたと思いますが如何でしょう?教科書から、もう一作だけ詩を抜粋します。同じく現在も活躍中の詩人の「小泉周二氏」の作品より。

あなたへ


やったぁ 
と 叫んでください

あああ
と くやしがってください

わあ きれい
と うっとりしてください

なんだ これ
と 首をかしげてください

きらきらおしゃべりしてください
むうむう黙っていてください


伝えてください
あなたを



小泉周二 作

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