Essay 129 チェックリストを分析(2)

さて、早速前回の続きと参りましょう。11個目から20個までのチェック項目を分析してみます。


 


□キッチンの使い勝手が悪い
「家は3度建て直さないと良い家が出来ない」と言われますが、その大きな理由が台所なのです。家族の成長や増加、あるいは主婦が年を召される事も加わり、一番気になる場所と言う訳。(当然、不満としての意味ですよ)だから築1年だろうが15年だろうが、女性がチェックした場合には大なり小なり「う・・・・・ん?」と、悩まれると思います。と言う訳で、これもチェック!


□キッチンや浴室の排水溝の水の流れが悪い
これも築15年の家を対象に考えるのなら、文句無しにチェックが入ります。台所では生ものや油汚れが流れてしまいますし、浴室には毛髪や石鹸カスが流れてしまいます。これらの汚れは排水管の内側に、少しずつこびり付いていき、時間と共に排水管を細くする事になる。結果として、少しずつでは有りますが確実に排水は流れにくくなると言うもの。つまり、これもチェックが入ってしまうということでしょうねぇ。
もっとも、排水の流れが悪いだけならば、排水管を掃除すれば良いだけの事なのですが・・・負け。


□床がきしんだり傾いたりしている
うんうん、これはダメですねぇ。もともと家を造る時に、大工さんが一番気を使うのは基礎と床です。だから本来なら時間が経ったからと言って、床が傾くなんて有り得ない。例外が有るとすれば建物本体の問題ではなく、地盤が悪かったのかもしれません。でも、これだって事前に地盤調査をすれば。問題の有無は確認できますからねぇ~。余談ですが住宅でも地盤調査は必要ですよ。


□結露が酷い
う・・・ん、これも築年数とは関係無いような気がしますが?結露は断熱・換気・仕上げ材料の選択の問題で、時間が経ったから結露が酷くなるって事でも無いと思います。近頃の家は壁も天井もビニールクロス、床だって表面処理を施したフローリングでしょ?つまりサランラップに包まれた料理と同じですから、室内でファンヒーターでも点けようものなら、大なり小なりの結露は発生すると思うのです。と言う訳で、これもチェックと。


□振動や騒音が気になる
これまた【叙述作家】の上手い言い回しですねぇ~。騒音や振動とは一体何を指しているのでしょう?家族が部屋を歩く音?それとも外を走る車の騒音でしょうか?これ聞こえない家が有ったら教えて下さい。家は音楽を聴くための、リスニング・ルームのようには造られていません。もっとハッキリ言えば、配慮されるべき音に配慮しないで造られているのではないですか?SEX一つとっても、ラブホテル(言い方古い?)とは訳が違います。子供や姑が居る家の中と、防音設備をキチンと整えたホテルと同じ訳が無い!当然、不満も有るでしょう?


また、こう言う事を改めて考えれば「そう言えば、鉛筆が転がる音が気になるのよね~」と必要以上に過敏に反応すると言うものでは無いですか?それを知った上で「音の問題ある人、手を上げて~」って言う聞き方は、あんまり紳士的じゃないなぁ~。


逆に言えば、音で悩んでいる人の家を、建て替えたら「気に成らなくなるように造り替えます」と、自信を持って言い切るつもりなのか聞いてみたい? でも結局これもチェックなんだろうなぁ~(なんだか嫌になってきた)


□トイレや浴室の位置が悪い、または広くしたい
これは微妙???トイレも浴室も位置に関しての不満は、あまり無いような気がするのですが、問題は広さじゃないでしょうか?高齢化すると手摺の設置や、車椅子への配慮を考えますよね?とすれば、当然「もう少し広げたいわ~」という事になるような気がします。建て替えを促す家の場合、施主は年齢的にもご自身の老後を考える年齢になっている事でしょう。とすれば、これもチェックか・・・。


□収納スペースが足りない
出た~~~!リーサル・ウェポンだーーー!これは説明の必要なし!全員チェックが入ると思います!これはファイナル・アンサーです。


□床下換気孔の前がふさがっている
んん?叙述作家もネタに困ったのか?床下喚起孔の前に何か障害物があるのなら「どかせば?」って感じなんですけど。それとも簡単には、どかせない何かが有るの?それってなんだろう?例えばゴジラが座り込んでいるとかだ?これはチェックの必要なし!と。


□雨樋の部分から雨水が落ちている
叙述作家さん、完全に行き詰まってますねぇ~。樋から水が溢れている場合、考えられる原因は2つ。一つは樋と樋を繋ぐ、接続部分が壊れてしまった場合。これはそこだけ直せば終了~でしょ?。もう一つは横樋内か縦樋内、あるいはその両者を繋ぐ飾り枡と呼ばれる部分に、ゴミなどが詰まっている場合。これも樋を取り替えれば良いだけの話でしょ?。何で家全部を建て替えなきゃいけないの???意味が解らん。と言う事で、チェックの必要は全く無し!

いや待てよ?これは罠か?築年数が古くなれば、木の葉や砂が風に運ばれて来ます。樋の中にもゴミが溜まると言うもの。ましてビニールパイプ製の樋ならば、割れやひびも発生するでしょう?となると、「雨水が落ちてきますか?」と、単純に聞かれれば答えは「YES」かも?う・・・ん、叙述作家恐るべし。


□建物周囲の水はけが悪い
これは正直、意味が解りません。つまり何が言いたいのかが解らないのです。このチェックリストは建物を建て替えさせることが目的だとすると、これは何を言いたいのでしょう?


新築時から時間が経つことによって、建物周辺の水はけが変化する場合って何だろう?水はけが悪い場合、きっと新築時から悪かったはずで古くなったから悪くなる事は無い筈です。これはチェックしないにしよ~っと!


と言う事で、以上20のチェックリストを分析してみましたが、今回の10項目中でも5~6個はチェックが入るはずです。つまり前回のチェックリストと併せて考えれば、【要注意】の10個は楽々チェックが入ってしまうと言うわけ(恐るべし叙述作家)


さて分析をした目的と、まとめをしてみましょう。様々なチェックリストを利用し、建物の問題点の確認や原因個所を掴む事は大切な事なのですが、その対処と利用方法を見誤ってはいけないと言う事では無いでしょうか?


一番大切なことは【建物の維持管理を適切に行い、少しでも長く良い状態で家を守って住む事】ではないですか?


チェックリストとは、あくまでもご自身と家のために有るのです。間違っても営業ノルマを達成せんとする、どこぞの営業マンの為に有るのでは無いと言うことを、お忘れなく。ではまた。。。

にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ

ブログランキングに参加しています。
宜しければ応援の一押しを、宜しくお願い致します。

コメントする

< Essay 128 チェックリストを…  |   一覧へ戻る   |  Essay 130 家の匂い >

最近の画像

お問い合わせ

  • お問い合わせフォーム
  • 0465-35-1464

このページのトップへ