小田原市役所ご乱心?

小田原市では、現在2つの大きなプロジェクトが進行している。
1つは「小田原城下町ホール」と呼ばれる建物で、老朽化した市民会館を建て直すと言うもの。公開コンペで建築家の山本理顕氏の案が採用され、既に設計も完了している。
ただし基本構想から大きく外れ、建物形状や大幅に予算をオーバーしている点等も含めて、市民や専門家の間で計画の修正や見直しを求める反対運動も起こっている。

もう1つの事業は小田原駅舎隣の駐車場に、コンベンション・ホールを持つ大型の複合型ショッピングセンターを建てると言う計画。
神奈川県の中でも抜群に税金が高い小田原市だが、近年では小田原競輪場からの収益も減り、赤字財政が続いていると言うのに、一体どこからこんな大事業を遂行する資金が捻出されるのだろう。

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駅前の複合型ショッピングセンターの計画は、正式には「お城通り地区再開発事業」と呼ばれており、その名の通り、集客力の無くなった駅前に複合型の商業施設を建てることで、人を呼び戻そうと言う事業骨子だ。だからホテルも有れば、オフィスも有るし、コンベンションホール(←これが一体何を指すのかは不明)の他にも、フレキシブルゾーンと呼ばれる何にでも使える(と言う事は、ただのオープンスペース?)もある。

ところがこの計画、言葉は悪いが、少しばかり胡散臭い。
と言うのも、市が事業の立案をしたのは昭和61年が最初。その後、紆余曲折を経て、平成14年に(株)村井敬合同設計に、基本設計を8千万円の設計料で依頼した。村井氏は8階建て、延べ床面積18000㎡あまりの建物を提案。その後、近隣との調整をはかりながら、事業費用、およそそ55億円で確定した。

その上で事業推進企業を一般公募し、平成19年の2月に優先交渉権者として某社に決定する。ところが、そのたった4ヵ月後に、この某社が新しい計画案を提出してきたのだ。延べ床面積は基本案の倍の35000㎡。建物用途もフィットネス施設やサービス施設(これもなんだか不明)と呼ばれる物などが増えている。予算も55億円から90億円近くまで増えている。

何年も掛けて練り上げた構想だから、普通なら到底納得できない計画変更なのに、市は翌月にあっさりと認める。そして、「ささ、始めよう始めよう!」と言わんばかりの対応を取る。村井氏に支払った基本設計料の8千万は、無駄金と言う事なのだが、この責任は誰が取ったのかは謎。


と言う感じで、何がなんだか分かっていない市民が、ほとんどだと思うが、城下町ホールの事業費が80億円。駅前の再開発事業で90億円。合わせて170億円の事業費は、どこから出るのだろう?また両施設が完成したら「城下町ホール」の管理費が、毎年2.5億円から3億円。駅前の再開発施設には、税金からの補助金が、毎年2億円程度必要だと言われている。どう言う収支計画を立てたら、この時期に、こんな事業計画が成立するんだろう?
そして合わせて5億円のお金は、一体誰が払うのだろう?

不思議な事が一つある。
優先交渉権者の某社が平成19年の2月に決定し、その4ヵ月後の6月には、新しい計画案が提出されている。そして翌月の7月には市が承認する。
いくらなんでも、新計画案の作成が早すぎないか?よほど優秀な設計事務所のブレーンが居たと言うのだろうか?マーケットリサーチだって慎重にしなければ、とても新規の事業プランを盛り込んだ増床計画等、到底出来るものではない。それをいとも簡単にやってのけたのは、手際が良過ぎ。

その某社が提出したプランが、平成11年の3月に神奈川県と小田原市が発足させた神奈川県広域交流計画委員会の作成した「広域交流拠点整備計画」の計画案と酷似示している事だ。これは一体何を意味するのだろう。

裏でゴチャゴチャあるのか無いのかは、まぁ良い。ただ、箱物行政の時代はとうに終わっている。それを体感出来ていないのだとすれば、いくらなんでも鈍感過ぎる。
また、景気が回復傾向にあると発表しても、その実感が国民には全く感じられないのが実情だ。それはたぶん、本当の意味で景気が回復していないからだと思う。少なくても庶民の私には、そう感じる。

こんなに沢山の費用が一度に動こうとしているのに、市民にその実感は無い。
なぜだろう?
市民が太っ腹?それとも「そんなのカンケェねぇー!はい、オッパッピー!」ってこと?

たぶん、どちらも違う。
きっと行政は「グーなしジャンケン」のルールを知らない人と、「グーなしジャンケン」で勝負しているようなもの。あるいはジャンケンに勝つために「後出しありよ」と条件を付けて、勝負しているのかもしれないと思う。この先ずっと、小田原に住み続けていくのが、チョッと怖いと感じる今日この頃なのです・・・。

コメント(3)

やんま (2007年9月 6日 17:41)

おさるの駕籠屋とカマボコ作りの平和な街かと思っていたが、由々しき事態が進行中とお見受けした。市は小田原評定の歴史を教訓に即断即決を宗としているのか。このままでは市民が雪崩を打って逃げ出しかねない。この項をコピーして駅前で配ったら、少しは危機意識を持てるかな。ノーモア夕張!

ぬのくいべた (2007年9月 7日 02:36)

探偵長が以前に書いた文章と合わせて読みました。(小田原城ホール設計疑惑&阿藤海氏の)

まず、設計料の高さに驚きました…。
それとも当たり前の金額なんですかね?
ひゃ~~

それはさておき、小田原市には怪しい疑惑が沢山有るんですね。某テレビ番組の「噂の東〇マガジン」に県知事や市長にインタビューして追究してもらいたい…。(知らない方すみません。問題提起等する番組です。それだけじゃないけど)

疑惑を追究したら消されたりして……(怖)

探偵長 (2007年9月 7日 09:34)

地方の財政破綻に関する危惧は、今やどの地域でも他人事では無いと思います。
不安定な政局、低迷する経済、消えた年金、格差社会の顕著化と、心配な要素は増えるばかり。
それなのに、なぜに行政だけがトンチンカンな事業計画を乱立できるのか、理解に苦しみます。
必要な物を、必要な場所に、必要な予算で実行される事を願います。


「噂の東京マ○ジン」に、本当にお願いしたいぐらいです。
でも、消されるのは嫌ですが・・・(笑)

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