ロープライス・ハイクオリティ


プリウスが205万円!ジーンズが990円!週末の地方高速道路料金が一律1000円!(の予定)と、何処も彼処もロープライスが話題になる昨今。昔は「安物買いの銭失い」と言ったものですが、今は「安かろう悪かろう」ではなく、「安くて良かろう」を求められる時代。生産者側にとっては苦労の多い時代なのでしょうが、技術の革新により、昔ほどの大変さは無くなったのかもしれません。だいたい、そうじゃないと「100均」なんてショップが成立する筈が無いですからね。

ひとつ気になるのは、この「安くて良かろう」、つまり「ロープライス・ハイクオリティ」と言う考え方は、建築物にも適用されるのでしょうか?と言う事。自動車や衣類、加工食品や生活雑貨類は、全て工場で生産される工場生産品。つまりラインで生産される製品ばかり。ところが住宅の場合、完全に受注生産が基本(一部の既成品住宅はここでは含まず)。しかもそれを現場で作り上げていくと言う生産形態は、他の業種では考えられない製造方法。勿論、作業効率を高めるための技術の進歩や、部品・部材の進化は日進月歩しているが、それでも最終的に現地で組み立てていくと言う意味では、竪穴式住居の時代から何ら変るところがない。

ちなみに小説や絵画や音楽と言った物も、「ロープライス・ハイクオリティ」が求められるかと、思考を脱線させてみると・・・・・! うん、求められているような気がする。例えば、ネットで無料DLされる違法着うたなどは、その良い例。安くて(この場合はタダ)、良いものを、お手軽に自分の物にする感覚は、これにあたるでしょう。(勿論、合法、違法の問題はあるので、その考え方が悪いと言う事ではなく、あくまで一つの例として)


とある建築関連サイトのアンケートによると、「団塊Jr世代は住宅に拘りや差別化を期待するも、その建設を依頼するのは建築家ではなく、ハウスメーカーである場合が多い」、と言う結果が出たそうな。その思考をトレースする事も吝かではありませんが、考えても仕方の無い事なので割愛。とどのつまり、この国における「建築教育」に、もう少し頑張って貰いたい・・・なんて事を、夢うつつに思うのであります。久しぶりに、「ジャスト1000万円!で建つ家」なんて建物を、計画してみたいかも?(笑)

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