『プリズン・トリック』 読了-37

交通刑務所内で、一人の男が殺された。 顔と両手を薬品で焼かれ、両手を天に突き上げた姿勢で死んでいた男の居た場所は密室。そして同じ交通刑務所内から、一人の男が消えた。消えた男の行方を追う県警が知った驚愕の真実とは。 第55回江戸川乱歩賞受賞作。

推協会の会長・東野氏が絶賛されていたので、それに釣られて購入した本。
滅多に人の意見に影響され無いのだが、乱歩賞において近年例を見ないほどと言わんばかりに褒められていたので、そんなに言うならと思って読んでみたのだが・・・・・・・・。

刑務所内の密室という設定は興味深かったし、「ホワイ・ダニット」の観点から見ても面白かったのですが、それらの魅力を半減させていたのはその読み難さ。視点がコロコロ変わってしまい、誰が主人公で、どれが地の分なのかさえも分からない。たぶんその書き方こそが、狙いの一つだろうとは思うが、それを整理しても十分楽しめる作品になったような気がする。

もともとハードルを上げて読み始めたことが失敗といえば失敗だが、書き出しの雰囲気や構成は、結構好き。次回作にも、また密室を扱って貰えたら嬉しいなぁ~。

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