HOME > 最新情報 > BLOG -建築的じゃない日々- > 本 > 『ランナー』 読了-12
あさのさんの『バッテリー』や『MANZAI』のような印象を持ったまま読み始めると、大きく裏切られることになります。それが良い意味での違いなのか、そうでないのかは読み手の判断ですが、私はそこそこ重かったです。
物凄く閉塞感を覚えます。息苦しいぐらいに。
だからこそその閉塞感から抜け出そうとする碧李の、走ることへの逃避、あるいは希望、あるいは期待が対比され、そこに太陽を感じられるのですが。
また、あさのさんの作品の場合、主人公より脇役のほうに魅力を感じてしまいます。
腰を痛めてしまう親友の言動に、ついつい興味が行ってしまうのです。二番手が一番を応援する心情、支えていく気持ちが切ないように思えてしまうからだと思います。
出来ることなら、続編を読んでみたいと思わせる作品でした。
2010年5月24日 09:30
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