LED球の誤解


以前、御自宅の設計をさせていただいた方から、ご質問のメールを頂戴した。
「一部の照明器具をLED球に変えたいのだが、宜しいか?」と。
「口径と照度が合うなら大丈夫ですよ」と、お返事したが、少し気になったのでお電話してみた。

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LED球への交換を考えた理由は、熱を出さないことに魅力を感じたとのこと。
どうやら今年の暑さを経験して、来年以降の暑さに不安を覚えたのがきっかけとのこと。
熱を出さないLED球が、とても魅力的に思えたとのこと。
「たしかに」と、DAIGOふうに相槌を打つ私。

LED球の売り文句の一つに、「放熱しない」と言うのがあるので、その点から言えば間違いではない。でも正解でもない。←ここ大事。

「放熱しない」と言うのは、光と同じ方向に対して「放熱しない」と言うだけであって、LED球から「放熱しない」と言う物ではない。簡単に言えば、基本的には放熱するのですよ、明智君。

つまり天井に照明器具が設置されている場合で考えれば、上方向に向かって放熱するのであって、下の室内側に向かっては、ほんの僅かしか放熱しないと言う意味なのです。

これ、裏を返すと、上方向に向かって放熱する熱量は、今までの照明器具よりも増える場合もあると言うこと。それを知らずに球だけ変えて、照明器具本体はLED球に適していない物を使い続けると、危険な場合だってあるのです。例えば天井裏が、今までにも増して暑くなったり、場合に拠っては火事の危険性だって無くは無い。

今はLED球を推進することに躍起になって、良い情報ばかりが露出過多気味に出てくるけど、マイナス側のそう言う情報って、あまり出てこないと言うか、ほとんど出てこない。知っているのは生産側の企業と、一部の専門家だけで、一番知らなければいけない使う側の人には、伝えられていない情報のような気がする。

でも自信を持って推薦できる品であるなら、メリットの部分とデメリットの両方の情報を正しく伝え、その上で「それでもこれは良い品なのですよ」と伝えれば良いと思うのだが、どうだろう、明智。

とまぁ、そんなこんなの長話をした上で、そのクライアント宅には後日遊びに行くことにした。
その上で照明器具のタイプや、LED球に交換したい箇所を伺い、そこで対応しましょうね・・・という結論になったのです。

これからLED球へのシフトは、ゆっくりと進んでいくと思いますが、新しい物を取り入れると言うことは、知らなければならないことも増えていく、と言うことなのかもしれませんね・・・。

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