住友林業の家―準耐火構造基準を満たさず

 
国交省の発表に拠れば、住友林業が新築した木造住宅の中で、準耐火構造違反の建物が見付かったそうな。他にも3524件の建物が基準法違反の疑いがあり、関係諸官庁に調査を依頼したとのこと。

住友林業(株)が施工した木造住宅(準耐火建築物)における国土交通大臣認定の不適合施工とその対応について

公開された資料を見ると、壁の下地材である石膏ボードを規定の骨組みを設けて、規定の長さの釘等で施工することで耐火性能の担保をしていた筈なのに、下地・釘の長さ共に規定を満たしていなかった。つまり耐火性能は無いよ!――と言う話らしい。なるほど。


一方、日本経済新聞の記事によると、住友林業側は、「そんなの知ってたけど、性能満たしているし良いんじゃないの? ダメならこれから申請し直すわ」という見解だそうな。
        ↓        
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1003Q_Q2A810C1CR8000/


怪しいと思われる建物の数が具体的に公表されているということは、どこか特定の営業所か事業所が手掛けた住宅に限られた話なのかも知れない。なら対応策は取れるでしょう・・・・・・・と思ったのですが、住林側は「問題ない」と言っている。裏を返せば「直さないよ~」と、言うこととも読み取れる。

なんせ直すことになれば、相当な出費は免れないだろうから、直したくないと言う気持ちは良く分かる。それに検査機関に検査をし直してもらい、そのままの状態でも問題という結果が出れば尚更だろう。

でも一番大切なことは、住み手が納得するか? ではないだろうか。
契約する時には、その基準で造ることが前提で(暗黙の前提も含めて)、基準法的にも合致する建物を建てる事で契約が成立している筈。でも実際に建てられた建物は、その基準通りに建てられてはいなかった。後付けで「大丈夫だから心配ないさ~」と、大西ライオンみたいに言われても、「だったら何であの時に、そう言わなかったのか?」と、言いたくなる。

もっとセコイことを言うと、下地材を造らず、釘も所定の物を使わず、ボードを固定する際の釘の本数も少なかったと言うことは、「その分だけ、経費かかって無くね?」ってこと。でも契約額は、その費用を含んでの額だよね?

契約上、約束した基準を満たさず、材料代・手間代も抜かれ、後から「それでも大丈夫だから」と言われたときに、「ああ、それなら良かった!」と、建築主全員が笑って言ってくれることを祈ります。
なにより、肝心要の「準耐火性能基準」が、適切に確保されていることを。


天工舎一級建築事務所
神奈川県小田原市荻窪314正和ビルみなみ302
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