『PRIDE 池袋ウェストゲートパークX』 石田衣良著/読了

千切れた十字架のネックレスを胸に下げた美女が、「四人組の暴行犯を探して欲しい」と、マコトに依頼する。マコトは胡散臭いボランティア集団の自立支援センターに探りを入れるのだが。
池袋のトラブル・シューター真島誠の活躍を描く、IWGPシリーズ・ファーストシーズンの完結編。


読むまで、本作がシリーズ完結編だとは知らなかった。
本作が10作品目かぁ・・・・・・、長いなぁ~。

IWGPシリーズは時代時代の暗部というか、ダークサイドな部分に着目し、そこを切り口にしている点が面白かった。主人公が20代前半の若者で、カラーギャングと言った若い人たちが脇を固めていた、新しいスタイルの「社会派ミステリ」だったと思う。

そして被害を被るのは、必ずといって良いほど社会的な弱者ばかり。
その憤りを若さが暴走させた結果、連鎖する不幸の数珠。そして新たなる怒りが生まれ――と言った具合に、初期の作品には落とし所が無かったものも多かったが、やはり10作品という時の流れが、怒りの静め方を学んでいるように感じた。

ガキだった主人公達が、シーズン完結編で少しだけ大人になっていたように思えた。
面白かったです。


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