『見晴らしのいい密室』 小林泰三 著/読了


家の地下に設けられた核シェルターの中で、男は胴体を捻り切られて死んでいた。
絶対に開けることの出来ない難攻不落の密室で、一体誰が、どんな方法で男の体を捻じ切って殺したのか? 表題作の『見晴らしのいい密室』をはじめとする、短編七作が収録されています。

書名と裏表紙の解説を読んでの購入でした。
表題作の他にも、棺の中で数十箇所を刺されて殺されていた男。だが棺には、なんの傷痕も残っていない。絶対不可能な密室殺人の謎を解く!・・・・・・みたいな感じで紹介されていたのですから、密室好きなら買うでしょう。読後にネットの書評なども読んだのですが、得てして高評価でした。

ただ、残念ながら私には合わなかった。
申し訳ありませんが、最も苦手なタイプでした(すんません)。


あとがきでは、論理的帰結の成せる業云々と書かれていましたが、そう言われてしまうと返す言葉はございません、はい。ただ、密室好きって、そういう講釈を聞きたいわけでもないし、読みたい訳でもありません。純粋に楽しみたいのですよ・・・・・・特に私は。

ミステリの代表的トリックの中に、「氷の短剣」で殺人を犯し、凶器が溶けて無くなってしまい、警察や探偵が右往左往する――なんて話がありますが、それを「氷で短剣なぞ作れる筈も無い。従ってそんなトリックは有り得ない」と言ってしまうのは簡単な話ですが、それを論理的解釈だとか、ロジックの妙と悦に言って切り捨てることは、個人的には好きじゃない。

どうせ物語なのですから、「おおー、そんなトリックは思いも付かなかったー! ビックリしたー!」と、楽しみたいのです。このオチも一つの楽しみ方なのでしょうが、残念ながら私には合っていませんでした。と言うわけで、なんかスッキリしない読後。

読む本全部が自分のツボ!――なんてわけには、いかないもんですねぇ......。

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