『乱反射』 貫井徳郎 著/読了

不幸な事故に巻き込まれ、2歳の男の子が亡くなった。
だがそれは本当に事故と呼べるものだったのだろうか?
新聞記者の父親は真実を知りたいと、調査に乗り出すのだが。
第63回日本推理作家協会賞受賞作。
 
全部で599頁もある、そこそこ厚い本です。
正直言って中盤までは読み進めることが辛いと感じるほど、ゆったりと進んでいきます。
何人もの人たちの日常が淡々と描かれ、細かく場面転換される様が、面倒とさえ感じるほどに。
だがその人たちの日常を、丁寧に描いたからこそ冴えてくる絶妙な後半部の加速度。
後半の300頁ぐらいは、あっという間に読ませてしまう吸引力の高さです。

ただしこの作品は、読後がかなり重い。
密室も出てて来なければ、バラバラ死体もないし、凄惨な殺人現場の描写や殺人鬼も登場しません。
だからこそ重く苦しい。
あえて分類すれば、社会派と呼べるのかもしれません。
久しぶりに読書で夜更かしをした本。


 

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