ひみつパッキン


最近の木造住宅工事では、基礎と土台の間に固いゴム製のパッキンを挟む
基礎パッキン構法での施工が主流となっている。
この基礎パッキンは厚さが20mmほどで、ところどころに隙間が設けられており
その隙間から床下に流れる風で、床下の換気効果を確保しようと考えられたもの。

少し前までは基礎に四角い穴を開け、そこに換気口と呼ばれる格子状の物を
はめ込むような基礎の造り方をしていたが、今ではほとんど見なくなった。

その理由は、基礎を欠き込む造り方が耐震性能確保の点から避けられるようになったことと
基礎形状がシンプルになることで、施工が楽になるから。
そして床下に取り込む空気の量が、基礎パッキンの方が多いため。
大きく言えば、たぶんこの三つの理由からだと思う。
基礎パッキン
(これは隙間のある、普通の基礎パッキン ↑)

なんせ床下がジメジメと湿気ていないことは、シロアリ対策の点からいっても好ましいので
今は何処の現場を見ても、この基礎パッキンが使われている。

ただし場所や断熱方法によっては、なんでもかんでも風を通す基礎パッキンを
使えばいいってわけでもない。
基礎の内側を断熱するような場合には、風を通さないことを考える必要があるから。
その場合は、隙間の空いていない「気密パッキン」を利用することになる。
基礎パッキン
(これは隙間の無い気密性のある気密パッキン ↑)

同じ家を造るにしても考え方が違えば、使用する材料や施工方法が違ってくる。
また一つの家の中でも、風の通って良い場所と、風を通したくない場所がある。
その場合も基礎パッキンの選択を間違えないで、工事することが大事なのだ。

以前、現場で「ここは気密パッキンじゃないとダメなのに~」と、
間違った施工箇所を指摘したら、「えっ、秘密パッキンってなんですか?」と
真顔で聞き返されたことがあるが、現場の中に、そんなに秘密があったらダメでしょ。

秘密やブラックボックスの無い、クライアントにとっても施工する側にとっても
分かり易く施工し易い家が、ある意味では「良い家」だと思う。
秘密のパッキンなんて代物は、存在してはいけないパッキンなのです。


 

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