掘らない地盤補強-GRRシート工法

埋蔵文化財があると予想される地域の場合、少し深い基礎を掘る時には、事前に試掘調査を行い、文化財の有無を調べる必要がある。万一、試掘で文化財が発見された時には本発掘調査が行われ、その調査期間は数か月から一年以上に及ぶ。小田原市の場合にも、市内のあちらこちらに、この埋蔵文化財の地域が指定されている。そしてそんな地域は、大抵地盤が弱いことが多い。

地盤が弱いと不同沈下を抑えるために地盤補強が行われるが、この地盤補強工事が文化財と相性が悪い。ここを試掘すると必ず何か出てくるという場所の場合、試掘は冷や汗もので、「頼むから何も出ないで」と、祈りながら立ち会うことになる。そしてこの計画地も、そんな場所だ。

どうしても本発掘、いやそれ以前に試掘を避けたい! と、彼是探し、いろいろな人に相談しながら、ようやく探したあてた物が、この「GRRシート工法」。これはジオテキスタイルシートと呼ばれる物を建物の真下に敷き、建物の自重でテンションを掛けることにより、不同沈下を抑えようと考えられたもの。これの場合は、通常のベタ基礎と同じ程度しか掘らずに済むため、文化財の調査は不要となる。

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価格は柱状改良と、ほぼ同じ程度。シートの敷き方や砕石の転圧方法に、一定の約束があるが、それは大きな問題ではない。またどんな場合にでも対応が可能なわけでは無く、一定の条件はあるが、今回は上手くいって助かったケースとなる。

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建物の下に発泡スチレンボードを敷く、フローと工法と呼ばれるものもあるが、あれは厚みがあるため試掘の対象となる。土地を深く掘ることが出来ない場合、断然こちらが良さそうだ。いろいろな製品が開発されるのねぇ~。

 

 

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