『ケモノの城』誉田哲也 著/読了

17歳の少女が警察に保護を求めてきた。少女に暴行を加えていた女・アツコを逮捕するが、彼女もまた全身に暴行を受けた痕があった。事件の詳細を供述をしない少女とアツコだったが、やがて少女が口を開く。「お父さんは殺された」と。二人が監禁されていたマンションの部屋を鑑識が徹底的に調べると、驚くべき真実が見付かった。衝撃であり驚愕の真実とは!

他者の弱みに付け込んで、拷問と虐待そしてマインドコントロールで管理下に置き、互いに憎しみ合わせることで、己の手を汚さずに他者を暴行させ合う残忍さ。ターゲットには性別も年齢も関係なく、ただただ暴力を楽しむ犯人の狂気。それはもはや人ではなく「ケモノ」。2002年に北九州小倉で実際に起きた、北九州監禁殺人事件をモチーフにした作品です。ちなみにこの事件は、あまりの残虐さから報道が規制され、詳細は表には出ていなかったほどの酷い事件でした。

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怖いよ~~~、この手の作品は苦手。痛いのヤダ! この作品の前に読んだ『月光』も苦手なジャンルだったけど、こっちの方がもっと苦手。なによりも怖いのは、これが現実に起きた事件を下敷きにしていること。それを承知で読んでいるので、怖いやら苦しいやら。それでいて読むことを止めることの出来ない吸引力の強さは、書き手の筆圧の高さであり、あまりにも惨い事件の凄惨さか。母親が父親の頭を抱き、発する言葉の異常さは、まさに狂気。そして地獄の様です。

この次は、ちょっと違うジャンルの本を読もうっと!

 

 

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