『その可能性はすでに考えた』井上真偽 著/読了

外界から遮断された山中で、とある宗教団体が首を切り落とすという集団自殺を行う。それから十数年を経た今、事件のたった一人の生き残りの少女が、あの事件の謎を解明してほしいと探偵事務所の門を叩く。探偵は、この世に奇蹟が存在することを証明するために、少女の依頼を引き受けるのだが―。

探偵が様々な情報から謎の解明に当たるのかと思いきや、あに図らんや、今回の探偵はいたって寡黙。探偵は奇蹟を証明するために、事前にあらゆるパターンを推理し、それに反証する内容をレポートにまとめて書き上げておく。つまり人知を超えた現象であり、だから奇蹟が成し得た事件なのだ、という展開を目論む。つまり「悪魔の証明」をしてみせようという話。

探偵に挑む他の人物たちが登場し、独自の推理を披露する。探偵の想像を超えた解釈だと講釈するのだが、探偵はそれら全ての解釈を事前に予想し、それは他の理由から有り得ないという回答をレポートに書き記していた。それを読み、一同はガッカリするという展開。

書評サイトのレビューをはじめ、各賞にノミネートされたり、あるい受賞されたりと至って評判の良い作品でしたが、私はこの手の作品は好きではありませんでした。謎解きの新しい手法としては面白いのですが、ミステリも文学としてのストーリー性が欲しいクチなので、物語よりも謎解きに特化している作品は少し苦手。それにオチがいまいち不明です。どう不明なのかは、読んで確かめて下さい。

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