『風信子の家』読了 - 33

風信子の家―神代教授の日常と謎
風信子の家―神代教授の日常と謎
篠田 真由美

建築探偵“桜井京介シリーズ"のスピンオフで、表題作の「風信子の家」をはじめとする中編小説5編が収録されている。
久しく読んでいなかった篠田さんですが、「風信子の家」と書かれては、読まないわけにはいかない!と、勢いだけで買ってしまった1冊(笑)
でも5作とも、篠田さんらしい「しなやかさ」があって、読んで良かったと思わせる読後感。
ただし「本格一本やり」の方には不向きです。

個人的には、最後の「思いは雪のように降りつもる」が、ストライクど真ん中。
久しぶりに中原中也の詩に触れて、学生時代を思い出した。

わたしのうえにふるゆきは
まわたのようでありました
・・・・・かぁ・・・。くぅ~、中也読もうかなぁ~。

それからですね、ここは小さい文字で書きますが、「風信子の家」に関しては、些か不満が無い訳でもないです。
著者のあとがきを読んで、「なぜ立原なのか?」と言う疑問に関して、チョッとだけ分かりましたが、それでも「風信子の家」である必然性は理解できなかった。ネタバレになるといけないので深くは書きませんが、その一言が言いたいための「風信子」なのは、チョッと強引なような気がしました。

篠田さんの気持ちは理解しましたが、私も立原道造は好きなだけに、ちょっとだけモヤモヤが残ったのはホントです。でも「風信子の家」のイラストは忠実で、それだけはホっとしました。(←ここ大事なポイントだけど、かなりマニアックな見方であることは否めない・・・)

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