『女王国の城』読了 - 50

女王国の城 (創元クライム・クラブ)
女王国の城 (創元クライム・クラブ)
有栖川 有栖

少し前に読み終えていました。
でも製作に携わった者が、読後の感想を書くのも如何な物かと思い、自重していました。
ですが、年間通して沢山の本を読めない私が、今年の目標と決めた50冊目の本なので、やはり「読了しました!」の記録だけは残します。図面作成者としての立場を、少しだけ脇に置いといて、一言だけ。

原稿を何度も読み、建物の検証作業を行いましたが、作品としての形を成した本は、それとは全く別物でした。「学生アリスファン」「江神フリーク」と、このシリーズを好まれる方は沢山いると思いますが、シリーズの中でも極上の出来だと思います。15年と言う長い歳月を経てのシリーズ4作目ですが、熟成されたワインのような、深い味わいを堪能できることでしょう。図面の出来不出来は別にして(笑)

推理小説を好まない方や、有栖川さんの作品を読まれた事の無い方にも、お薦めできる一冊だと思います。

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コメント(4)

みけねこ (2007年10月 2日 18:19)

私も読了しました。
あんなに分厚い本だったのに、半分を過ぎたあたりから止まらなくなって、最後まで一気に読んでしまいました。徹夜です(笑)。

学生編は、90年代が舞台だと改めて実感しました。そうそう、あの頃はそんなこともあったなあ、そんな時代だったなあって。確かに体験してる筈の社会情勢が、もう遥か彼方の出来事って…歳取る訳です(笑)。携帯電話が無いって、こういう事態を招くんですね。でも流れ的に無理が無いので、するっと世界に入ることができました。
今までの三作と比べて、なんだか凄く丁寧に展開していくように感じたのですが、探偵長様はいかがでしたか?今回はEMCの面々が過激にハードボイルドすることで、「双頭の悪魔」での三度もの読者への挑戦と同じくらい、またはそれ以上に親切な展開だったんじゃないかと。なのに、やられました!犯人の正体とか動機とか、それも勿論ですが、あのエピローグの根底にずっと隠されてたもの。言われてみれば当然のことなのに、全く気がつかなかったです。

そして、一番強く思ったのは、このお話は作家編の長編「乱鴉の島」と対を成す作品ではないか、ということです。現代の最先端技術がベースの「乱鴉」と、インターネットすらまだ知らない「女王国」。作家編の有栖川有栖と学生編の有栖川有栖がリンクする、綺麗な輪が見えたような気がしました。

長々と失礼しました。まだ興奮状態ですので、整理できてなくて申し訳ありません。

探偵長様、簡潔にして丁寧な城の見取り図を、ありがとうございました。中庭の場面なんて、見取り図が無かったら、よく分からないままだったと思います。重ねて御礼申し上げます。お疲れ様でした。

キソ (2007年10月 2日 18:41)


みけねこさん
あちらで言えないストレスを、こちらで発散してますねー?(笑)
これくらいなら大丈夫だと思います。だから、何ならスレッド立てて下さいね?

探偵長様、私信に(伝言板がわりに)使って申し訳ありませんでした。m(__)m

《極上のワインのように熟成された味わいを、ご堪能できることでしょう。》
私ももうすぐ味わいたいと思います。その日の為にワインを買って来ようかなって思いました。
銘柄は何が良いでしょう?悩むなー

みけねこ (2007年10月 2日 23:10)

ひゃあ!ぬのくいべたさん改めキソさんとは、お姉様でしたか!
ごめんなさい、これからですよね。
せめて、東京サイン会が終わるまでは、自重します。ごめんなさい。

探偵長様、私信に使ってしまって、重ね重ね申し訳ございません。

探偵長 (2007年10月 3日 18:07)

みけねこさん、お読みになるのが早いですね。
また充分に堪能されたご様子で、有栖川さんを始め、出版者の皆さんを始めとする製作関係者は、さぞお喜びのことと思います。
ちなみに私もその一人ですので、見取り図の事に触れていただき、ありがたい限りです。

また「乱鴉の島」との関係に着目される辺りが、深い有栖川ファンとお見受けします。

キソさん、ワインを良く知らないので適切に表現できません。
ですが作品のイメージから言えば、確りとしたフルボディの赤。
若さではなく、積み重ねた経験と渋さが楽しめる品だと思います。

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