『天井男の奇想』 読了-23

天井男の奇想 (文春文庫)
天井男の奇想 (文春文庫)

― 天井男が私を見てる。天井板の節穴から、私を殺すチャンスを伺っている ―
そんな妄想に取り付かれた、資産家で変わり者の老婆・飯塚時子。
彼女は築五十年以上の古い一軒家で、ゴミに埋もれて、ひとり生きていた。時折尋ねて来るのは、区役所福祉課の小野寺伸介だけ。時子は小野寺に、天井男の存在を告げるのだが、小野寺には相手にされない。そんな時子の家の二階を貸りる、夫から逃げてきた女・白瀬直美。物語は、「一階」「天井男」「二階」と場面転換を繰り返しながら、予期せぬ方向へ向かっていく。果たして天井男は存在するのか? そしてその正体は。


「天井男」と聞けば、思い出すのは大江春泥。勿論、そこはシッカリと踏まえた上で、新しい形の天井男が確立されています。この作品、あまり感想を書くと、ネタがばれちゃうので書きませんが、転換の妙は流石です。しかもこの時代に天井男を確立させたのは、お見事。一つ難を言えば、途中で少し中だるみしたのが、チョッ残念。それでもミス好きには、思わず笑ってしまうようなアイテムが、チラホラと散らばっていて、それを見付けるだけでも楽しいです。

また、時子が『13の密室』を読んでいるシーンが出てきて、思わず・・・チッ。
私、まだ読んでないっちゅうのに・・・ブツブツブツ
それでも有栖川さんの御自宅で、生『13の密室』を見せて頂いたあの日から、アチコチ探して手に入れたもんね~、『13の密室』。・・・と、変なところで張り合ったりして(笑)

それから巻末の解説は、先日の「本格ミステリ大賞」で、評論・研究部門で受賞された、円堂都司昭さん。(ちなみに日本推理作家協会賞も受賞されている筈)
なんか、お得な感じの解説で、チョッと嬉しかったです、はい。

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