『リズム』 読了-34

中学ー年のさゆきは、親戚の真ちゃんと今でも大の仲良し。だが母や姉は、高校受験もせずに、髪を金色に染め、夢ばかり見ている真ちゃんに近づくことを、快く思っていなかった。そんなある日、真ちゃんの両親が離婚すると言う噂を聞き、さゆきは心を痛める。真ちゃんの家族は、さゆきにとって、自分の二番目の家族だと感じていたから―。第31回講談社児童文学新人賞、第2回椋鳩十児童文学賞を受賞した森さんのデビュー作です。

森さんらしい視線が、読み手の感性を刺激する作品でした。
母や姉が真ちゃんを悪く言ったとき、「子供の目線で見れば、真ちゃんの良いところが見える筈」と言った、さゆきの感性に共感すると共に、とかく印象や感想を直線的にしか捉えないことに気付かされる一言。この一言を読めただけで満足。また、人にはそれぞれのリズムがあり、そのリズムを保つことこそが何よりも大切だと言う真ちゃんの台詞にも納得。

夏休みのお子さんに、お薦めの一冊。
森さんらしい柔らかな雰囲気と感性を持つ本作は、次作の『ゴールド・フィッシュ』へと続きます。

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