『サクリファイス』 読了-25


過酷で知力と体力が必要なスポーツ、自転車ロードレース。綿密な作戦と犠牲の精神が重要であり、たった一人のエースを勝たせるために、自分たちの全てを犠牲にするアシスト役からなるチーム競技。そのプロチームでアシスト役として活躍する白石は、エースの石尾を勝たせることだけを使命と考え活躍していた。オリンピックも狙える陸上選手だった白石だったが、自分が勝つために走ることに意味を見出せず、ロードのアシスト役に居場所を見つけたのだった。そんなチームエースの石尾には、3年前のある事故に関係する怪しい噂があった――。

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凄く面白かったです。
まずタイトルの『サクリファイス』に、まんまと騙されました。
3年前の落車事故にまつわるエース・石尾の黒い噂。その事故の被害者と、白石の元カノ。
エースの傲慢な態度に腹を立てるチームメンバー。エースの座を奪い取ろうとする伊庭。
そんな中で、幾つものレースが繰り広げられます。

レース展開もハラハラさせられますし、そのレース中に何か事件が起きるのではないかと言う不安と緊張。自転車のロードレースを詳しく知らない人でも、分かるように書かれているので、引き込まれることは請け合いです。

自転車レースを描いているのですから、テンポが良いのは勿論(←ここ大事)、終盤の二転三転する真相への布石は全てに重要な意味があり、最後まで気が抜けずに楽しめました。
続編の『エデン』も読まねばと、思わされた一冊でした。


ついでに。
明日、9月26日日曜日は、小田原から箱根に上がるターンパイク有料道路を前面封鎖して、自転車のヒルクライムレースが開催されます。平均勾配7.2度の坂道を、13Km上り続けるクライムレース。最大勾配は11.5度もあるそうです。華麗なるダンシングが見られるのか!
興味のある方は、こちらをどうぞ。
       ↓
スーパーヒルクライム in TOYO TIRES ターンパイク

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