『女には向かない職業』 P・D・ジェイムズ 著/読了


女探偵が活躍するハードボイルド作品の草分け的存在を、懐かしく読みました。
ハードボイルドは元来、煙草の煙をまとい、デスクの引き出しから取り出したバーボンを飲りながら、トレンチコートを羽織る男のイメージですが、この作品の主人公コーデリア・グレイは22歳の女の子。
それがハードボイルドに立ち回るのだから、カッコイイのは当たり前。相棒は、死んだ友が残してくれた銃と愛車のミニ。いや、ホントは友じゃなくて、たった一人の探偵事務所のパートナー。

そのパートナーが癌に侵され自殺する。たった一人残されたコーデリアは、「女には向かない職業だ」と笑われながらも、事件の依頼を引き受ける。簡単な調査だった筈が、真相に近付くにつれ命まで狙われる羽目に。

全然関係ないけど、私のHP 建築探偵社/天工舎一級建築士事務所の中で書いている建築エッセイ『設計の手を止めて』。この中に数話だけ書いた『探偵の事件簿シリーズ』に登場する探偵の、「相棒は、この友が残してくれたコルトガバメントだけ」という台詞は、ここからイメージしていました。

巻末の解説にも書かれていますが、P・D・ジェイムズって、文章が凄く読み難い印象がありますが、この本は大丈夫です。またコーデリア・グレイを主人公にした作品は、もう一作『皮膚の下の頭蓋骨』がありますが、そちらも大変読み難いです(笑)
 
でも久しぶりに読んでみようかな~と、考えています。


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