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FEELING 建築への想い建築への想い

家に対する考え方

家① 

春、窓から眺める新緑の優しさ。
夏、日差しの和らいだ夕暮れの風。
秋、夜長の居間での語らい。
冬、温かな笑い声が聞こえる食卓。

それは四季のドラマの舞台装置。家はいろいろな演出がなされる舞台であり、家族は主人公である。

家② 

それは24時間の舞台でもある。
窓から差し込む朝日、目覚め、一日の始まり、そして午後の静寂。夕方の家族の帰宅。活気付く夜の談笑。

家③ 

それは人生の舞台でもある。
生まれ、育み、育まれ、休んでは、また旅立って行く場所。

家族の交流の場として、友人との憩いの場として、病室として遊び場として必要な生活の場である。

家④ 

設計者が芸術作品として創り出すものではない。それは結果である。
大切なことは、そこに住む人達が元気に生きて行ける空間を考え出す事。

人が住むことで"箱"は初めて家となる。

家⑤ 

家は自分たちだけの物だと考えてはいけない。
周りの家々、町並みや道行く人達の物でもある。
それを一人一人が忘れてしまうと、いつの間にか大切な故郷の町並みが煩雑な汚い町並みになり、大切なものを無くすことに成りかねない。

土地 

自分たちだけの物では決して無い。
植物や生き物の物でもある。
そして、道行く人達の物でもある。
絶対に忘れてはならない大切なこと。

階段 

1階から2階へ、2階から3階へと、ただ移動するための単なる通路ではない。
目の高さの変化がドラマティックな展開を与えてくれることがある。使いやすい階段。材質。

吹き抜け 

上に抜けた気持ち良さ、解放感。
上下の連続性や一体感を感じさせる。
その空間の心地良さを無駄と切り捨ててしまうには、あまりにも惜しい時がある

ダイニング・ルーム 

食事をしている場所で、団欒をしている家族は多い。
食事をし、酒を飲み、新聞を読み、語り合う。
ついでに勉強もしてしまうという為の仕掛けとして、大きなテーブルを置いてみよう。

そこはダイニング・ルームから、ファミリー・ルームに変身するから。

子供部屋 

子供部屋に広い空間など必要ない。テレビや電話があり、その部屋の中だけで快適に過ごせる部屋だとしたら、部屋から出てくる必要がなくなる。それは、いい部屋とは言えない。

最低限のことが出来ればいい。プライバシーを欲しがる時に、きちんと対応できる程度で良いはずである。

夫婦の寝室 

夫婦の寝室は子供部屋とは違う。

日常から遠ざかった、様々な生活行為が行われる場所であるという認識が必要である。

玄関 

玄関は知らない人も入ってくるただ一つの場所である。
家人の場合でも、夫なのか子供なのかを知りたい。
まして知らない人ならば、人相・風体を察知したい。

だから玄関には内部にも外部にも、お互いに分かり合えるようなほんの少しの工夫が必要である。

サイン 

玄関廻りには、いくつかの装置が必要である。郵便ポスト・表札・インターホン・牛乳受け・電気、ガスメーター等など。どんなにきれいな建物でも、細部にまで 気を配らなければ意味がない。まして玄関は最初に目のつくところ。
スッキリとデザインして家人のセンスの良さを発揮するとともに、町中に一つのサインを作りたい。

庭 

庭の目的をつかもう。
眺めるためなのか、使うためなのか、あるいは外を感じるためだけなのかを、きちんと理解しよう。
それによっては、全く違うものになってしまうから。

なぜなら庭もまた、建物の一部だから。

ポーチ 

ポーチはただの飾りではない。

雨の日には、家に入る前に傘をたたみ濡れたコートを脱ぐ場所でもある。 初めての家を訪ねるときなどは、一瞬身繕いを確かめる神聖な場所でもある。
それなりの配慮が必要。

カーポート 

昼間、車のないカーポートは町中の小さな子供たちの遊び場。
なのに安いモルタルで仕上げられ、オイルの染みや古いタイヤが積み上げられた物置のようではあまりにも惨めだ。
少しだけ質の高い仕上げにし、緑もあるような場所だったら、きっと子供たちも喜んでくれるはず。

インテリア・設備に対する考え方

色 

基本的には自然の色がいい。
人に優しい色がいい。

光と影 

昼間の陽の光。適度な明るさ。壁が作り出す影の落ち着き。
一日のうちで変化していく光と影。
夜の照明による光と影の演出も楽しみたい。

風の道 

風を感じたい。
風が運んできてくれるものを感じられるよう、豊かでありたい。
風の通り抜ける道のある方がいい。
大きな窓なんかなくても、風はきっと遊びに来てくれるのだから。

空間 

バランスの良い広さと大きさ。包み込まれた暖かさ。
ゆとりある空間からゆとりある人を。

窓 

ただの明かり取りであってはいけない。その額縁から移る四季折々の景色を感じさせてくれるものであって欲しい。
外とのつながりや、解放感を感じせてく れる大切な道具でもある。

照明 

夜の演出ができる大切な道具。
昼間主張する事なく、夜、昼間と違った演出をしてくれる。

白熱灯(電球) 

蛍光灯の明かりは、家には似合わない。
蛍光灯は作業する場所の明かりだ。
くつろぐための家には白熱灯の方が心地よい。

材質 

自然にある材料、自然を感じさせてくれる材質は気持ちがいい。
時を経ることにより、美しさが増す材料を使いたい。

壁 

壁があるから窓が生きてくる。
壁があるから落ち着くこともできる。
絵が飾れる壁がほしい。

家具 

家具がそこにあることで、家全体が生きてくるような家具。
その場所にふさわしい家具は、きっと家に良く馴染むはず。

建具 

部屋と部屋をつないだり、区切ったりするための道具。
かなり大切なパーツではあるが、必要の無いときはただの邪魔物。だから、時にはスッキリと消えてもらいたい。

冷暖房 

冷暖房器具は中途半端に主張すべきアイテムではない。
主張するなら暖炉のようにりりしく、隠すなら床暖房のように、すっきりと。

設備 

基本的には、オートマチックではない方が良い。
どこか人間臭さの残る設備の方が、きっと愛着がわくはず。

デザイン・想い・建築

デザイン 

シンプルなデザインは気持ちがいい。
充分に消化されたデザイン。
デザインを感じさせないデザインは美しい。
そして、その積み重ねは生きた空間を創り出す。

伝統 

新しい技術を使いこなすには時間が必要である。
数世紀にわたる歴史のうえに現代の技術がある。
しかしその技術も日々、改善されていることを忘れてはならない。

ディティール 

良いディティールの積み重ねが良い家を作り出す。
ディティールを作り、プランを作る。

個性 

建物は誰が住んでも良いと言うものではない。
人に個性があるように、家にもその住み手だけの個性が溢れ住むほどに設計者の作った空間から、住み手の空間となって行く。

想像力 

生活を想像しなくてはならない。
働く主婦、仕事をする父、勉強する子供、病気で寝ている人など、いろいろな場面や、その人たちの未来の姿をも想像しなければならない。

遊び 

『ほっ』と息の抜ける空間。
無駄と思えるような空間が有ることで気持ちに、ゆとりが生まれる。
無駄のない空間には、ゆとりもないかもしれない。

優しさ 

子供の視点で作られた家。老人の視点で作られた家。
それはどちらも優しい空間になる。

家庭的 

母親が大根を刻む音、子供たちがケンカする声などが、かすかに聞こえる家がいい。
廊下に扉が並び、ドアを閉めると家中がシーンとし、まるでホテルのような家ほど本当の意味での『家』からは程遠い。

機能 

住み良いことが大切である。子供、大人、老人に優しい家。
いろいろな人や、生活に対応できる機能が必要である。

連続性 

大きな空間から小さな空間へ、下から上へ。
家の中でいろいろに変化しながら連続していく。
リズムのある感覚的なつながりを。

量産 

建築とは、数多く量産された製品を巧みに使いこなす一品製品である。だからこそ、住まい手の個性を大切にしたオリジナルの家を心掛けなければならない。

回遊性 

廊下の暗いつきあたり、閉ざされた居間。
そんな空間より、歩き周れる家が良い。
どこか抜けられる道が欲しい。
風が光。そして人が。

変化 

暗く狭い場所があるからこそ、広く明るい場所が生きてくる。
低い天井から高い天井へ、そして落ち着ける場所へ。

三人四脚 

家は建築家が創るものではない。住まい手が作って行くものでもない。
ましてや施工者が造り作り上げるものでもない。
三者がそれぞれを信頼しあい、お互いの成すべきことを理解したうえでの共同作業で、作り上げられるのであるということを忘れてはならない。

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