作品の主人公でもある「星の王子さま」と、その作者「サン・テグジュペリ」を殺したのは誰なのか? 原作本を考察しながら、著者であるサン・テグジュペリの史実に基づいた死の謎に迫ると言うお話。主人公は飛行機整備士と探偵の二人。二人は真相を探るべく、「星の王子さま」の熱狂的なファンで構成された「クラブ612」のメンバーを訪ね歩くのだが、そのメンバーが不審な死を遂げる—
『星の王子さま』は何度も読みましたが、本書は謎を探る過程が、原作の構成と同じような道程を辿っているように思いました。またかなり哲学的な解釈と比喩で構成されており、一歩間違えると「理屈っぽい」と、感じてしまうかもしれません。
『星の王子さま』の中に散りばめられた暗号の謎を解き、サン・テグジュペリの死の真相は如何に? を、シンプルに解き明かそうと考えながら読むと、楽しく興味深い一冊だと思います。