昨日、海老名まで仕事で出掛ける車中で読んだのは、萩原さんの短編六作が載る『海の見える利発』。『オロロ畑』を読んで以来の萩原作品だったので、凄く久しぶりだったのですが、いや本当に良かった。表題作の『海の見える理髪店』も面白かったが、『成人式』という作品では少し泣きそうになるほどでヤバかったです。
一人娘を15歳の時に交通事故で無くしてしまった夫婦の話で、その夫婦の元に成人式用のレンタル衣裳店からの案内が届いたことをきっかけに、二人で娘が生きていれば行くはずだった成人式に参加しようと考える。妻は少しでも若く見えるようにと美容に精を出し、夫は痩せようと努力する。妻が着る振袖は、きっと娘だったら選ぶであろうを着物を考え、夫は紙を金髪に染め羽織袴姿で成人式会場に向かうのだが、回りからは白い目で見られ悪口を言われ、笑われる始末。受付をする新成人には入場を拒否されるのだが—という話。
よくこんな奇想天外の物語を思いつくと感じたのだが、よく考えれば本当にこんなふうに考える親が居ても不思議ではないな~と、思ってしまった。親の愛情の深さは尊いと思わせる話でした。もう一度、『オロロ畑』からのシリーズを読んでみよう。
