なぜ監理が重要なのか?

どんなに素晴らしい設計図があっても、それを形にする段階で手抜きが有っては意味がありません。
また、設計図で書き表せなかった部分の補足なども、現場監理中に同時に行えると言う利点もあります。設計も工事も所詮は人が手で行う物です。間違いもあるでしょう。それを補い合ってこそ、建物の完成度は上がって行くのだと思います。

極端な例を挙げれば、設計図で抜け落ちた点があり、工事中に他の部分でもミスをしていては、建物はどんどんレベルの低い物になってしまいます。そうしないための監理なのです。
また、逆も考えられるでしょう。どんなに「監理」だけを頑張っても、元になる設計図がお粗末な物ならば、レベルの低い建物が「完璧な姿」で完成するだけです。
つまり、「設計と監理は補い合える物で無ければ意味が無い」と言う事なのです。

以前、ある住宅メーカーで建物を建てるのだけど「監理」だけして欲しいと頼まれた事がありますが、図面を見せて頂き、丁重にお断りさせていただいたことがあります。設計が酷かったのです。
設計が酷い建物は、酷い建物にしかなりません。その点をご理解下さい。

どうしてもと頼まれれば、仕事と言う意識を棄て「人助け」としてやるかもしれません。