Essay 82 事務所にノートがやってきた!

世の中には、「唐突な人」と言うのがいるもので、チョイト牛丼を食べに行った帰りに、ついフラフラ~と寄った住宅展示場で、「住宅一つと、味噌汁と御新香ね!あと、卵も生一つ付けて!」と言ったノリで「家」を買ってしまう人がいるかと思えば、ボ~っとテレビを見ていて、「JR京都」のCMを見た瞬間に「そうだ!京都行こ!」と突然出かける人もいる。こう言う性格の人って、ある意味とっても「幸せな人」なんじゃないかと思うときがある。


私は絶対にそうはいかない。前にも書いたことがあるが、何か物を買おうと思ったら、必要以上に研究するし、出かける日の天候だって考慮に入れる。だから、間違っても雨の日にパソコンを買いに行ったりしない。万が一雨に濡れて、壊れでもしたら悔やんでも悔やみきれない。


だから最近になって、ノートパソコンを欲しいと思ったときでさえ、慎重に考えてリサーチもした。
何のために必要で、ノートで何をするのか?そう!デスクトップを買った時とでは、レベルが違うのだよ~レベルが~!ワッハッハと、一人PC雑誌に見栄を張っている姿が虚しいが。


流石に零号機を(私は彼のことを、今後零号機と呼ぶことにした)持っているだけ有って、初号機を(私はノートPCの事を、今後初号機と呼ぶことにしよう。でもエヴァとは何の関係も無い)選ぶには、さして時間も掛からなかった。


目標は「IBMのシンクパッド」に決まった。後は買いに行くだけ。ところが、まったく買いに行けないかった。仕事の忙しさが、私にそれを許さなかった。「よし!絶対にこの日に行こう!」と決めた日は、朝から雨だった。


もう無理だ・・・仕事の忙しさを、少しでも解消する為に必要だと思った「ノート」なのに、その仕事の忙しさに邪魔されて買いに行けない・・・完全にパラドックスだ。


25日の土曜日、私は朝からキーを叩いていた。瞬間!閃いた!「そうだ!秋葉原行こう」と。
気が付くと、私は新幹線の中だった。


秋葉原に、買い物に来るのは久しぶりだった。数年前に知人の付き合いで、ノートを買いに来た以来だ。ところで、人はおかしな行動を取るものだ。一度でも通ったことのある道を選び、同じ店で食事をする。不思議だ・・・。と話が反れてしまった。


土曜日の秋葉原は混んでいた。私が人込みが嫌いなのを忘れていた。失敗だ・・・。この人込みの中を何軒も歩いて、価格交渉をするのは、私には出来そうも無い。ワンチャンス!一発勝負に出るしかない。


私は一軒のパソコンショップに目を付けた。目標の物は有るか探す・・・・・有った!だが、値段が高い。私は数人いる店員の中から、一番気の弱そうな人物を探した・・・いた!彼と目が合った。
彼が近づいてくる。「何かお探しですか~?」と、御陽気な声を掛けてくる店員。前置きは抜きだ!「このノート。ズバリいくら?」店員が電卓を弾く・・・「これでどうでしょう?」と差し出された金額は、私のリサーチより1万円も高いではないか!舐めているのかコイツ・・・。


私は彼の電卓の数字から、15,000円を引いて見せた。彼は「お待ち下さい」と、店長の元に走る。戻ってきた彼の提示額は1万円を引いたものだった。(予定金額だ)でも、ここで引き下がる訳にはいかない。


「これだけ?じゃあ余所行くよ!」と気の無い返事をすると、彼は再び店長の元に走った。
「判りました!じゃあ、あと2千円引いて、キャリング・バッグとマウス・パッドもサービスします」


勝負は終わった。デスク・トップを買おうかと、悩み続けた当時の私とは違うのだよ。ワッハッハッ!
あっけない勝負の幕切れに、少し物足りないぐらいだった。さぁ!とんぼ返りで戻り、仕事をしなければ。


直ぐに新幹線で戻って来た私は、梱包を解いてみた。無い!無い?何処を探してもキャリング・バッグもマウス・パッドも、別に買ったマウスも入ってない~!なんて事だ。奴のほうが一枚上手だったとは。
自分の甘ちゃん振りに、苦笑いするしかなかった。この先が思いやられる・・・。


注)勿論直ぐに電話を掛け、宅配便で送って貰う事にしたのは言うまでも無いので、ご心配なく。

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