Essay 99 共に住めない

先日、新聞の人生相談コーナーを見ていたら、こんな記事が載っていたました。以下はその概略です。


相談者はマンションに住む70代のご夫婦でした。一年程前に上階に越して来た20代の夫婦と、その子供たちの騒音が悩みの種。毎晩11時ごろになると、上階の子供たちがバタバタと走り回り、とても寝ていられる状況ではなく、困り果てて「せめて9時以降は静かにして貰えないか?」と、お願いしたところ「このマンションには9時になったら寝る規則でもあるのか」と取り付く島も無い。一体どうしたら良いでしょう?



と言う内容でした。それに回答した女性弁護士さんのコメントが以下です。



上階のご夫婦に、実際の騒音を聞いて貰って下さい。その音を体験すれば意外と静かになるかもしれません。また簡易裁判所に調停を申し立てて説得してもらう方法もあります。しかし強制力はありません。裁判で損害賠償を請求する方法もありますが、足音は受任限度内と判断される可能性もあります。あるいは地方自治体の騒音対策を担当している課に行って、相談してみるのも一つの方法でしょう。



え・・・・・っと、どこからコメントして良いのか解りません。建築物・上階の騒音・受任限度と、言いたい事はいくつか有りますが、最初に一つだけどうしても言いたいです。


上階の「20代のご夫婦」と言うことは、そのお子さんは一体何歳ですか?小学校の高学年には、なっていないのではないでしょうか?走り回ると言うことですから3歳よりは大きいとは思いますが、いづれにしても幼稚園か小学校の低・中学年ではないかと思います。そんな子供が11時まで起きて走り回っていて良いの?


私に言わせたら騒音以前の、親の躾の問題だと思いますが?子供は成長することが大切な仕事です。その為には、たっぷりの睡眠時間が必要です。子供は寝ている間に大きくなるのですから。それを夜の11時まで平気で起こしていて、下階に迷惑かけるとは言語道断!


下階の老夫婦のお話は、至極筋の通ったものだと思います。実際の音を聞いたわけではないので、なんとも言えませんが、下階の住人にとっては受任限度を超えていると言っているのです。それでも夜の9時までは仕方が無いと我慢しているではないですか。必要以上に譲歩していると思いますが、上階の人には、それが理解できないのでしょうか?


子供は9時には寝かせましょう。その時間には寝ないと言うのならば、せめて寝る前のひととき、穏やかに過ごさせましょうよ~。まずこれが一点目。


次に弁護士の対応。いくら新聞紙上の相談で、踏み込んだ様子が理解出来ないからとは言っても、いくらなんでも70代の老夫婦への対応としてはあんまりです。大体、騒音を聞かせて「こりゃあ~酷いですね。直ぐに静かにさせますから」なんて言う人なら、初めにお願いした時点で、そんな悪態を付くとは思えません。


また強制力の無い簡易裁判所への申し立てに、一体どれほどの効力があると言うのでしょう?その手続きを70代の老夫婦に強いるのでしょうか?報われる作業なら解りますが、強制力が無ければ徒労に終わるのは火を見るより明らか。結果的にますます上下階の感情が、もつれる事になるでしょう。


その上、駄目押しのように「裁判に持ち込んでも受任限度と判断される可能性が高い」と言われれば、結論として「我慢しなさい」と言ってるように聞こえますけど?その回答には、なんの光明も見出せてないじゃないですか?相談した老夫婦は、返って気落ちしていると思います。


近年共同住宅における「騒音問題」を初めとする、この種のトラブルは多発しているように思います。そして対応しずらく、難解な問題であることも事実です。そしてその問題の解決に適切に、かつ迅速に動ける組織が無い事も事実かもしれません。それでも老夫婦の力になれるアドバイスはあると思うのですが?


精神論だと言われるかもしれませんが、「共に住む意識を大切にする」と言うことが、忘れられているような気がしてなりません。「共に住む」と言うのは、共同住宅に住むと言う場合だけでなく、同じ町に住む、同じ都市に暮らす、あるいは身体的弱者と同じ地域で生活すると言うように、様々なケースが考えられると思います。


自然と共に暮らすのかもしれませんし、動物たちと共存するのかもしれません。みんな同じ「共に住む」と言うことではないでしょうか。そして、その大切さを学ぶのは子供時代なのです。マンションの上階で走り回る子供たちに、今教えてあげることが大切なのだと思います。その躾を怠ると、きっともっと住み難い都市になっていくでしょう。


上階の20代のご夫婦の、上の階にもっと騒ぐ人が越して来た時に気づいても遅いのです。「天に唾を吐く」と言う言葉を、実感しなければ良いと思います。


新聞社に「建築問題に対応してくれる相談場所」をメールしたことだけ書き添えておきます。