Essay 144 お正月の風景

「21世紀の幕開けだ!」と騒いでいた頃から、早いもので1年が経ってしまいました。別に21世紀に成っても、何にも変わっていないような気がするのだが、やっぱり21世紀にはアトムが空を飛ぶのかもしれない。時代の変化と言うものは、少しずつ、ひょっとすると人には感じ難いスピードで変化するものかもしれないとも思います。


そう言えば『お正月らしさ』と言うものも、年々感じられなくなっている気がする。(と、知人に話したら「そりゃあ~年のせいだ!」と言われたが・・・意味が解らん?)


私の子供時代にはアチコチで見かけた門松も、今ではサッパリ見なくなってしまいました。たまに飾ってあるのは旅館やホテルの入り口だけ。今ではお正月の門松よりも、クリスマスに派手なライトを飾るのが主流になりつつあるのでしょう。なんだか少しだけ寂しい気もするのですが、これも時代の流れと言う奴なのかもしれませんねぇ。


大体、門松と言うのは庶民の間から流行った風習で、高貴な家では飾らなかった物だと聞いた事があります。ですから皇居に門松は飾られていないでしょ?んんん・・・日本全国、みな上流階級なのか?まあ冗談は兎も角、建築的に考えてみれば、門松を立てること事体が難しいのかもしれませんね。


門松は本来、門の外側に立てるものです・・・・・つまり道路の部分に。ねっ!無理でしょう?
昔と違い今のご時世で、道に門松などを立てていたら、交通の支障になって怒られてしまうのが関の山です。かと言って門の内側に立てたのでは、立っている事自体が見えないし、第一カッコ悪いと言うもの。だいたい、それじゃあ神様の降臨場所としての意味を成さないし、神様だって探しずらいと言うもの。門松って神様が下りてくる目印だってご存知でした?


まっ、地域差は有るのでしょうが、時代の流れって奴の影響を受けている事は間違いないですよね。そう考えていくと今の『家の形』が、お正月のアイテムを嫌う形になっているのかもしれませんねぇ~。


例えば玄関の扉上部に飾る“お飾り”だって、よく考えると『引き戸』用のような気がします。でも今の家の玄関扉は、たいてい開き戸・・・しかも外開き。扉の上に欄間が無い家は飾れないですよね?(もっとも扉を避けた所に飾れば良いだけのことですが)


他にも有るかなぁ・・・? あっ!輪飾りはどうだろう? 家の中の水周り、つまり水道の蛇口に付ける飾りが有るけど、あれだって良く考えれば普通の蛇口に付けやすくなっている物で、間違っても浄水器付きの蛇口用には出来ていない。

鏡餅にしても、本来は床の間に飾るのが流儀だった筈。もっと正確に言えば神棚に飾るのが本来の定位置だったと思います。だって鏡餅を飾る場所って、それぞれが神の寄代(よりしろ)なんですから。


でも今は床の間の無い家の方が多いので、仕方なくテレビの上とかサイドボードの上に飾られているのではないですか?と言う事は、神様はテレビの上に座り込んでいると言うことかぁ・・・。まっ、暖かくて良いかもしれないですけどね。まぁ、いろんな事を言ったって所詮は時流の流れですし、書いている本人自体、あんまり深刻には考えていないのですけどね。 


個人的には、お正月の風習で絶対に無くならないのは『お年玉』だけだと密かに思っています(本当は、あの風習だけ無くなって欲しいのに~)


なんだかダラダラと書いてしまいましたが、今年は、こんな調子でのんびりと駄文を書いていきたいと思います。今年もどうぞ宜しくお願いします。(旧正月までは、お正月ですよね?)
 

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