Diary 2001年9月16日

夕暮れが近づいてくると、その姿は金色の絨毯のように見える場所がある。それは、さして広くも無い街中に有る田んぼ。沢山の稲穂が風に揺れる姿は、今ごろの季節に見られるチョッと好きな景色。小田原って街中に点々と田んぼが残っている、都会になりきれない田舎町なのかもしれない。だってここ、市役所や私立病院が立ち並ぶ、所謂官庁街なのだから。

少しだけ気の早い秋祭りへの散歩の途中で、そんな田んぼの前を通りかかった。もう辺りは薄暗い時間。ふと見上げると田んぼの上を、無数の鳥が飛び回っている。すずめにしては活動するのに遅い時間だし、飛び方はツバメのように素早く、そして切れの良い動き方をする。一体、何の鳥だろうかと暫く足を止め見ていた。変則的な動き、暗い時間の活動・・・・・これ、本当に鳥だろうか???

どれくらい見ていただろう。ようやく、その正体が解った。どうやら『コウモリ』らしい。正直、驚いた。こんな街中に、それもこんなに大群で飛んでいるとは思わなかったから・・・・・。

そう言えば昔一度だけ、うちのバルコニーに傷ついたコウモリが落ちているのを見つけたことが有る。本物のコウモリに触れ、あんなに近くでその顔を見たのは初めてだったが、意外と愛らしい顔をしていた。だけど、こんなに大群で飛んでいるなんて・・・・・。

それにコウモリって肉食の筈?なんで田んぼの上を飛び回っているのだろうかと考えたが、答えは明々白々。奴らは稲穂に付いた虫を食べに来たのだろう。

戦争だ!殺し合いだ!と殺伐とした世情を忘れ、頭の上を飛び交うコウモリたちの姿を、ボ~っと見続けた秋の夕暮れ。少しだけ嬉しい時間が、とてもゆっくりと流れていた。

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