ジェットコースターの秘密

大阪の吹田市の遊園地「エキスポランド」で起きたジェットコースター「風神雷神2」の脱線死亡事故は、なんともショッキングで言葉も無い。楽しい筈の場所が惨劇の場になるとは・・・。

ところが遊園地の事故と言うのは、意外と多いらしいと言う噂も有る。例えば、ねずみ君の居る彼の地でも、ジェットコースターの脱輪事故は数件有ったと言う事実がある。
スリリングな恐怖を与える遊戯施設の管理が、実はあまり徹底された物ではないと言う事に気付く。それはまるで、続発するエレベーター事故に似ている。

話が少し反れるが、このジェットコースターを建設する時に必要な手続きはと言うと、なんと!建築確認申請なのだ!つまりジェットコースターと言うのは建築物なのです。
正確に言えば、エレベーターやエスカレーターと同じジャンルの「建築設備」あるいは「昇降機等」と言うジャンルに括られる。
だから仮に、私にジェットコースーターの設計依頼があったとすれば、仕事としては有り得ると言う事になる。勿論、実際にはジェットコースターの専門家が居るので、町の設計屋さんが確認申請を提出するなんてことは有り得ないのだけどね。

また、エレベーターもそうだが、ジェットコースターも一定期間の中で、その安全性を定期的にチェックし、行政機関に実態を報告する義務が課せられている。これを定期報告と言うのだが、この定期報告は、デパートや旅館・ホテルと言った不特定多数の人が利用する建物には、全て義務付けられているのです。

旅館やホテルと言った建築物に関しては、誘導灯や避難梯子、消火器の設置状況を知らせること。また、建物の間取りを勝手に改造していないかなどを報告させる訳です。
つまり火事などの際に、人がスムーズに逃げられるかのチェックと、消防隊員が迷わずに救出活動が出来るための情報を提供する訳。

で、大事なのはここから。
じゃあ、その定期的にチェックし、報告する人は誰か?
それは大臣が認定した「特殊建築物等調査資格者」・「建築設備検査資格者」・「昇降機検査資格者」という資格を持っている人と、なんと!一級建築士さんにも出来ちゃうわけです。(二級建築士さんも一部OK)

これ良いのかな・・・?
つまり依頼があれば、私にだってジェットコースターの検査が出来ちゃうと言う事じゃないの???それは危険でしょ~~~~~!
つまり何が言いたいかと言うと、行政が義務付けている報告と言うのは、そんな程度のチェックを1年に1回提出してね~ってこと。

誤解を生むといけないから書いておくけど、エレベーターだって、エスカレーターだって、勿論ジェットコースターや観覧車だって、チェックしているのは当然「その道の専門家」で、間違っても町の設計屋さんがチェックしているなんて事は有り得ない。
でもね、「チェックしなさいよ、報告しないよ」と言う内容は、決して『命』を前提にはしていないと言う事。

何でかと言うと、法の性善説的思想が働いているからじゃないかなぁ・・・と思う訳。
作る人、管理する人は、法で縛らなくても命を尊ぶ筈・・・なんて具合にね。
ホントにそうだったら、どんなに良かったことか・・・・・なんて思う訳です。

楽しむために出掛ける遊園地の、そのジェットコースターには、ひょっとするた私たちの知らない秘密が隠されているのかも知れませんねぇ・・・。

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