秋深し


隣はなにをする人ぞ。
本当に隣人を気にしている訳ではなく、ただなんとなく秋も夕暮れになると、そんな感傷的な気分になりますね、と言う意味。 じゃあ「秋は夕暮れ。夕日のさして、山の端のいと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて・・・」とでも書こうか。

実は私、小学校の終わりから中学の1年までだったかなぁ・・・塾に通っていました。そこで、この手の古文を暗記させられたのがですが、それを今でも結構覚えています。塾と言っても今みたいな進学塾じゃなくて、小さな個人塾でした。綺麗な女の先生と、そのお母さんにあたる、おばあちゃんの二人で住む家に行って、普通の部屋で自習するだけ。分からない事が有った時だけ先生に聞く、ただそれだけの塾でした。

今思い出すと、狭くて古い長屋の中の一軒で、玄関なんか4人も生徒が来れば、靴が入りきらないぐらいの狭さ。先生はとても綺麗な人だったけれど、怒ると怖くて、それと足が悪くて、いつも引きずって歩いていた。だから先生の歩く姿を、あまり見た記憶が無い。いつも、おばあちゃんがコーヒーを淹れてくれた。そう言えば、コーヒーを初めて飲んだのは、あの塾だったような気がする。なんでだろう、今、こんなことを思い出すのは・・・。

塾から帰る時に先生の前に集まって、しりとりや宿題の暗記を発表させられる。出来た子供から帰って良いと言う、頭の悪い子には辛い時間だった。 それに、しりとりと言っても英単語のしりとりなので、結構ハード。例えば「pen→note→egg」と続けていく。日本語のしりとりと同じで、数の少ない字を次の奴に回す事が早く帰れる秘訣。で、みんな決まって「X」で終る単語ばかりを覚えていた(笑) ちなみに「X」で始まる英単語を、直ぐに5つ以上書けたら拍手してあげます(笑)

その時に暗記させられたのが、徒然草や枕草子、奥の細道なんて古文。こんなのを暗記させられたからと言って、大人になってから何かの役に立ったかと言えば、全く何の役にも立っていないし、そんな場面にさえ出会った事がない。

でも・・・、あの時の先生には感謝している。何に感謝しているかは良く分からないけれど、でも今でも古文は嫌いじゃないし、なんか、そらんじて言えるだけでも、ちょっと得した気分になれるから(笑) 

勉強とは自分の為にするものです。
それだけは不変ですね。

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