『赤い密室』 鮎川哲也著/読了


コテコテの密室物が読みたくなり、久しぶりに読みました。
本書は名探偵・星影龍三が活躍する密室物の短編集です。有名な『りら荘』の基になった『呪縛再現』から始まり、表題作の『赤い密室』『黄色い悪魔』『消えた奇術師』『妖塔記』『道化師の鑑』の六作が楽しめます・・・・・・・と、今さら私が説明することも無いでしょう。

実は、本作と対になる『青い密室』を読んでいなかったのですが、最近ようやく手に入れたので、『青』を読む前に、まずは『赤』を読み直して――と、考えたわけです。

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ミステリの何処が面白いのかを、説明する気など毛頭ありませんが、私はおどろおどろしい光景が想像できる、まとわり付くような怖い作品が好きです。それもホラーと言った意味での怖さではなく、人の持っている情念や怨念の怖さが良い。出来れば探偵ではなく、その怖さを生み出した犯人側に感情移入が出来れば、言うことなし! 本作中の『道化師の鑑』は、その意味において、犯人の狂気というか光景の奇怪さと言うものが、ありありと想像できる作品なので好きです。

暗く長い、人通りの無いアーチ型をしたトンネル。天井からは水滴が滴り落ちる、じめじめとした闇の世界。そのトンネルの中に、白地に赤い水玉模様の服を着た道化師が踊るように入っていく。その手は、たった今刺し殺してきた被害者の血がベッタリと付き、返り血を浴びた道化の服には、小さな赤い水玉模様が見えている。トンネルのこちらから入った道化師だったが、トンネルの出口に立っていた警官は、道化師など出てこなかったと言う。トンネルの中には他に出口など無い。いったい、道化師は何処へ消えたのか?

ううう、想像するだけでも怖いぃぃぃ~~~~(笑)
道化師が街を歩く姿を想像するだけでも怖いのに、人を殺したばかりなのに薄ら笑いを浮かべ、スキップをするようにトンネルの中で忽然と消えてしまう。ありえねぇーーー! でも、こういうの大好き!
(ちなみに状況描写は、あくまでも私のイメージですから)

密室好きの方で未読の方は是非、ご一読を。
ちなみに装丁は、京極夏彦さん。解説は北村薫さんです。
一冊、違う密室作品を読んでから、『青の密室』を読もうと思います。

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