小田原芸術文化創造センター 終わりの始まり

昨年七月に入札不調となり、二度目の設計案まで暗礁に乗り上げていた「小田原市芸術文化創造センター」の計画。今月17日に市長は、以前の計画からさらに10億円ほど予算を引き下げて、計画を遣り直すと発表。さらに今後は不調による金額でのトラブルを避けるために、設計と施工を一貫して行う事業者に、一括で発注するとの方針を発表した。

小田原市民ホール建設問題 事業費を10億円減額

ええと、何処から突っ込めば良いのか迷ってしまうほど、ツッコミどころが満載。

まず予算を10億減らすという事は、規模の縮小は勿論だが、建物の基本的なコンセプトの抜本的な見直し、設計の遣り直しを行うという事。その場合、今までの話し合いで求められていた機能や使い方、あるいは運営に関する問題までも見直すことが必然。そこはどうなの?

また軽々に設計と施工を一貫すると言うが、公共事業における設監分離の原則を知らないのだろうか? 設監分離は建築工事の基本。民間の住宅レベルでも気になるのに、公共事業で、それをやるとは。しかもその理由が入札不調を避けるためとなれば、レベルが低いことこの上ない。

それとも鹿島VSJIAの「設計監理分離論-一貫論」を知ったうえで、鹿島に依頼するつもりじゃなかろうな? そう言えば小田原市庁舎の耐震補強工事は、「設計施工一貫論」を唱える鹿島建設だった。その繋がりから、「じゃあこっちも鹿島で。しかも設計施工は一貫して行う方が良いと言っているゼネコンだし、間違いないでしょう」なんて話じゃないだろうな~などと、下衆の勘繰りをしてしまう。

まぁどちらにしても、良い方向に転がっていないことだけは確か。新たな終わりの始まりの予感がする。

 

 

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