『声』アーナルデュル・インドリダソン著/読了

クリスマスシーズンで賑わう、アイスランドの有名ホテルの地下一階。ホテルのスタッフでさえ近づかない物置倉庫のような暗く狭い部屋で、サンタクロースの衣装を着た男がナイフで滅多刺しにされていた。殺された男は、このホテルの元ドアマン。捜査を担当した刑事エーデンデュルは、男の過去を探るうちに驚きの真実を知る。男の輝かしい栄光と挫折、転落、そして殺されるまでの哀しい人生。翻訳ミステリー大賞、読者賞のダブル受賞作―。

本作の前の作品『緑衣の女』を読んで面白かったので、本作も手に取ってみました。驚天動地のトリックや、事件の肝になる忌まわしき因習なんて物は、何処にも出てこない。ただただ重く、男の哀しい人生を軸に描かれた物語。主となる事件と平行に進む別の幼児虐待事件や、主人公の刑事エーデンデュルの少年時代に負った心の傷、現在の家族とのトラブルと言った事柄が、少しずつだが繊細に絡まり合いながら物語は進みます。読み手を引き付ける力は強く、読後の印象も悪くない。それでも重い作品が苦手な方には、不向きかもしれません。私は面白かったので、まだ読んでいない『湿地』も、読んでみようと思っています。

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