『冷たい檻』井岡瞬 著/読了

北陸地方の駐在所から、一人の警官が忽然と姿を消した。県警本部の依頼を受けた調査官・樋口透吾は、姿を消した警官の消息と事件性の有無を秘密裏に探るために村へと入る。調査のために与えられた猶予は二日間。姿を消した警官が公安だったという噂もあり、樋口はその方向で調査を始めるのだが、過疎の村には似つかわしくない巨大複合施設の存在に違和感を覚えるー。

警察小説として取り上げられていますが、あまりそこに拘らなくても十分に楽しめる作品でした。ただ少しボリュームもあるので、もたつく個所もあるのですが、警官の失踪・過疎の村に建つ謎の複合施設・公安は何を探っていたのか? そして施設誘致、売却の裏に誰かが暗躍するのか?といった具合に、盛りだくさんの内容ですので、飽きずに読み進めることができるでしょう。

ただ帰結がそこで良かったのかは、好みが分かれるところです。私は違う顛末を期待していたので、そこだけが少し残念でしたが。でも井岡さんは面白いので、引き続き読ませていただきますけどね。

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