『二人の噓』一雫ライオン著/読了

十年に一人の逸材と噂される女性判事・片陵礼子と、彼女が過去に判決文を書いた元服役囚の男。かつて判事と被告の立場で向かい合った二人の人生が、再び交錯することになる。男の裁判から数年後のある日、男は礼子の勤める東京地裁の門前に立ち、裁判所を感慨深げに眺めていた。礼子は男の行動から、過去に下した判決に間違いがあったのではないかと疑念を抱くのだが、それは二人の人生の交錯を意味していた。これは純愛なのか、はたまた醜聞なのか―。一雫ライオン氏の三作目となる作品。

多くの方がこの作品を恋愛小説として読まれているのかもしれませんが、私はミステリ作品かな? と、言う視点で読みました。ただどんな視点で読み始めたとしても、小説として面白かったことは確かです。惹かれたのは二人の嘘とは何かという点ですが、読み進めていくうちに、その謎は辛く重く哀しいことに気が付きます。嘘を知ることで揺れる二人の気持ちの方が作品の肝なので、やはりミステリではなく恋愛小説なのかもしれませんね。それとこの作品を映像化するなら、主人公の礼子は誰だろう? と、考えながら読んでいました。

金沢に行ってみたいと思わせる作品でした。

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