『ダー・天使』一雫ライオン著/読了

包丁を手にした通り魔から妻と娘を守るため身を挺し、命を落としてしまった父親の話。天国に行った父親は神様と交渉し、ある条件のもとに天使として地上に戻して貰えることになる。ただし自分の声や姿は誰にも見えないし、聞こえない。それでも良いので妻と子供を傍で見守りたいと願い、背中に翼を生やしたオジサンの天使は下界へと降りていく。

少し前に『二人の嘘』を読んだので、著者のデビュー作を拝読。父親が身を挺して家族を守る段階で、物語で伝えたいこと大筋は言い表しているような感じで読んでいましたが、最後の最後で唸ってしまいました。そうだよね~~~、その話をスッカリ忘れていました! って感じです。

天国と現生の時間の流れ方が違うという設定も手伝い、物語の時間軸は早く流れます。その流れを忘れ漠然と読んでいると、オチで「ああ…」と、私のように驚かされることになる。ただ正直言うと、泣かせるツボは多々あったのですが、ちょっとそこに嵌りませんでした。『二人の嘘』の方が私は好きでした。

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