食事を一緒に出来る大切さ

コロナ禍感染拡大以降、感染拡大を封じ込めるために国は飲食店の営業時間を規制し、営業すること自体を自粛するように要請しました。その後、少し感染者数が減ると規制を緩めるが、感染者が増え始めると直ぐにまた規制が掛かる。そんなことの繰り返しから、人はそれ以前のように誰かと一緒に飲み食いをすることが憚られるようになり、誰かと食事をすることに罪悪感すら感じ始めます。でも誰かと一緒に食事を摂るということは、とても大切なことですよね。毎日一緒に仕事をする仲間との食事も、学校でクラスメートと食べる給食も、入院している家族との面会日に一緒に食べる食事だって、とても大切な一食。

以前、父親を介護するために、家をリフォームした方のお手伝いをしたことがありました。工事が完成し、しばらくして訪ねた時のこと。リフォームして同じダイニング・テーブルで食事をすることが出来るようになり、とても良かったと話されていました。それまではトレーに乗せた食事をベッドに運び、一人で食事を摂って貰っていたのだが、今は同じダイニング・テーブルで食事を摂ることが出来るようになり、今まで気が付かなかったことに沢山気付いたそうです。

同じテーブルで一緒に食事を摂ると、「今日は食が細いけど、どこか具合が悪いのかな?」とか「このおかずをよく食べるけど、これ好きだったんだ」と、意外なことを知ることが出来る。何よりも誰かと一緒に食べると、食が進むらしい。それは体調管理にも繋がるし、なにより食事を作っている自分も楽しいと話されていました。誰かと一緒に食事をすることは相手を知ったり気遣ったり、同時に自分のことも見て貰っているということで、それは些細なことだけど、一日の節目の時間だったり、人生の栞の瞬間だったりもします。

あの日から11年が経ち、大切な人を亡くし、もう一緒に食事をすることが適わなくなった人や、その人の存在すら不明のままの方が未だにたくさんいることが、何よりも悲しいし残念です。そして東日本の震災の映像と同じタイミングで、ウクライナの悲惨な状況が映し出されることに、遣りきれない思いを感じます。

2022年3月11日。

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