建設資材価格高騰の波

住宅設備機器メーカーの大手LIXILが、最大で27%の値上げを行うと発表しました。LIXILは機器類を総合的に扱うグループ企業ですから、便器やキッチン・ユニットバスと言った衛生設備機器をはじめ、サッシやエクステリア商品、タイルや各種建材・太陽光パネルまでも扱っています。つまり家の大部分を構成する建材機器類が、最大で27%値上げされるということになります。勿論、値上げされる価格幅は製品ごとに違うのでしょうが、これから家を建てようと考えられている方にとっては大きな障害と成り兼ねません。そしてなによりも怖いことは、これが始まりに過ぎないということです。LIXILの値上げ発表を皮切りに、様々な建設資材メーカーが値上げに追随すると予想されるからです。さぁこれから大変な時期に突入します。

リクシルが住宅設備値上げ 最大27%、9月から順次

ちなみにこれは円安が大きな原因だと言われていますが、原因は本当にそれだけなのでしょうか。今は国内で生産することを放棄し、労働力の安い外国で生産し、それを国内に戻して販売していますが、ひとたび今回のコロナ禍のように大規模な輸出入制限を伴う事態が発生した際には、いきなり国内のストック商品がゼロになってしまいます。それは今も現在進行形で続いてる状況ですが、いざそうなった時に各メーカーは、受注はあるのに発注が出来ない状況となり、その間の売り上げが無くなってしまう事態を招きます。

また想像もしていない遥か遠い地域でも、ひとたび戦争が起これば、やはり大きな影響を受けてしまいます。紛争地域で生産されている製品や原材料の確保が出来なくなることも有り得ます。またその地域を通る流通経路が閉ざされることによって、入手できなくなることもあります。今までなら発注して数日で納められていた品が、半年経っても手に入らくなった理由は、こうしたことに原因があります。そして価格が高騰します。

稀に「なんで手に入らないの? どうにかしなさいよ!」と、口角に泡飛ばして激昂される方もいらっしゃるようですが、そんなこと言ったって、無い物は無いのですから仕方ないじゃないですか……と、言ったら、余計怒られそうですね。

ではこんな状況を、どうすれば脱することが出来るのか? たぶんに政府や企業の考え方に拠りますが、国内で生産する比率を高めるしかないのではないと思っています。ま、ここで方法論を彼是語っても仕方ありませんが、無い物はない、高い物は高いと理解した上で、住宅計画にあたることが大切だと思います。間違っても「安物買いの銭失い」にだけはなりませんよう、ご注意下さい。

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