『飛ぶ男』安部公房 著

鬼才・安部公房の生誕100周年を記念し、幻の原稿を掘り出して書籍化した作品が本作の『飛ぶ男』。『箱男』や『砂の女』が好きだったので読んでみました。相変わらず設定が面白いです。夜、男が部屋の窓を開けると、はるか彼方にゆっくりと空を飛ぶ男を見付けます。まるで風に揺られて飛ぶ風船のように、夜の空をゆっくりと飛ぶ男。物語は、そんな場面から始まります。実はこの空を飛ぶ男、別の目撃者に空気銃で撃たれてしまったり、目撃した男のことを生き別れた兄だと言ったりと、とにかく設定が無茶苦茶。でもどこか舞台のお芝居を観ているようで、引き込まれます。なぜ空を飛べるようになったのかの理由から話は、あらぬ方へと転がるのですが、それがまた荒唐無稽過ぎて面白い。この設定を思い付いて書いてしまえるところが、やっぱり鬼才の鬼才たる所以なのでしょう。

20240416.jpg

にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ

ブログランキングに参加しています。
宜しければ応援の一押しを、宜しくお願い致します。

コメントする

< 美術館、行きたいなぁ  |   一覧へ戻る

最近の画像

お問い合わせ

  • お問い合わせフォーム
  • 0465-35-1464

このページのトップへ