土地の持つブランド力と行政の思考の差

港区南青山の一等地に、区が児童相談所を含む複合建物を建設しようとして、現在地域住民との話し合いをしているそうな。この説明会の様子をTVで見たが、この映像が表に出るのは、いささかまずく無いだろうか? と、言う感じがした。なんと言っても印象に残ってしまうのは、反対住民の物の言い方。「この辺りのランチ代は1600円」とか「金を稼いだ人間だけが住める土地」とか「もっと土地の安い場所が他にある」等と、それはそれは何処をどう切り取っても、けしてお上品とは言えない"輩"のような物言い。それじゃあTVを観ている人から、共感も賛同も得られない気がする。どんなに正しい意見でも、その伝え方や言葉の言い回しが悪ければダメだと思うから。

「南青山は自分で稼いで住むべき土地」 児相建設に住民反発!揺れる港区

個人的には、地域住民の意見は凄く良く分かる。完全にそちら派と言っても良いぐらい。理由の一つには、行政の建物計画が理解できないから。詳細な計画は分からないのであくまでも印象としての話しだが、なんであれだけの土地を目いっぱい使って、あれもこれもと詰め込もうとするのか? 地域の特色や特徴を理解し、その場所に相応しい建物は出来ないのだろうか。例えばもう少し高層化した建物を計画し、地下や路面店あるいは低層階を商業施設とし、その上層階の幾つかのフロアに目的とした用途の建物を納める計画は成り立たないのだろうか。あるいはあの土地を第三者に売却し、その利益で他の土地を購入するとか?もっと上手に活用する方法は、ちぃーーーっと考えれば、きっとあると思います。それを考えるブレーンも資金もある筈だから。

児相施設が必要ないとか、忌むべき施設であるなどと言っている訳では、けして無い。その重要性も理解した上で、土地のブランド力を高められるような建物を、考えるべきだと思っています。行政が一方的にしょーもない構想を押し付け、地域住民は黙って言うこと聞け――みたいな時代は、とうに終わったということを理解するべき。

勿論、地域住民の対応も、けして褒められた話ではない。「ざぁーます言葉」で、お金持ちアピールするのは他でやるにして、本当に行政に対して計画案の見直しを求めるならば、もう少し理詰めで考え、世論を味方にし、対案構想の一つでもまとめて、その上で感情的にならずに話し合うべき。暇で時間を持て余した有閑マダムが、金切声をあげたって、誰も味方はしてくれない。資力と知力、それにブレーンやコネがあるならば、対案企画の一つでもまとめてみなさいよ。それが行政の企画を上回るなら、きっと誰も文句は言わないから。今のままでは、「その施設は必要だが、迷惑施設は自分の家の隣に建ててくれるな」と、言っているだけにしか聞こえない。

2020年を切っ掛けに、東京のブランド力や日本の知識や見識、おもてなしの心を世界に広用と考えるならば、こう言う問題にこそ、その知恵を集めるべきだと思います。完全に外野の人間ですが、世間はきっと同じような目で見ていると思いますよ。

あとこの件を、「児童虐待問題」にすり替えている無能なコメンテーターは、少し黙っていなさい。

 

 

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