「設計事務所は高い」の誤解を解きたい。家づくりの総額と「安心」の本当の関係
「設計事務所で家を建てるのって、やっぱり高いですよね?」
家造りの御相談をいただく方から、一番多くいただくご質問です。確かに有名なハウスメーカーの広告や、工務店のチラシと比べると、設計事務所はどこか敷居が高く、費用もかさむイメージがあるかもしれません。しかし、一級建築士として数多くの家造りのお手伝いをしてきた立場から言えることは、「費用の見え方が違うだけで、実は必ずしも総額が高くなるわけではない」ということです。なぜそう言えるのか、分かりやすく御説明します。
1.なぜ「高い」と感じてしまうのか?
一番の理由は、費用の「見せ方・見え方」にあります。ハウスメーカーや工務店の場合、設計にかかる費用は「本体工事費」の中に最初から含まれていることが一般的です。見積書に「設計料 – サービス」や、比較的安価な金額が書かれていることもありますが、実際には営業経費や人件費の中に組み込まれています。
一方、設計事務所の場合には、工事費とは別に「設計監理料」をはっきりと明示し、建物工事の請負契約書とは別の御契約をお願いします。この「別に設計監理費用が必要」という仕組みが、「設計事務所に頼むと余計なお金がかかる」というイメージに繋がっているのです。
しかし、実際にはどちらの家造りでも設計のための人件費や手間は必ず発生しています。ただその費用のご提示方法が、「建設工事と一括」か「建設工事と設計監理料は別」という違いにすぎません。
2.設計事務所に払うお金は「安心を買うための費用」
大切な点は、設計事務所にお支払いいただく費用は、単なる「図面を描く手間賃」ではないということです。その費用には、御依頼者様が安心して家を建てるための、以下のような大切な役割が含まれています。
■建築主の「想い」を形にする丁寧なヒアリング
決められたプランに当てはめるのではなく、御依頼者様や御家族の暮らし方、趣味、将来の不安までじっくり伺い、どんな人生を過ごすのかを一緒にイメージし、貴方だけの唯一の家を考えます。設計図面とは施工者に、そのイメージを伝えるための手段でしかないのです。
■見積もりの「無駄」を省くチェック
工事を行う建設会社から出てきた見積書を、プロの目で厳しくチェックします。過剰な仕様がないか、見積り間違いをしていないか、金額は適正か。ここを精査することで、数百万円単位で無駄なコストを抑えられることも珍しくありません。
以前、同じ図面で二社の建設会社に見積り依頼をした際に、1000万円ほどの金額差が生じたケースがありました。「同じ図面で見積っているのに、そんな馬鹿な」と、思われるかもしれませんが事実です。その時に大切なことは「安い方が良い」と、軽率に判断できない事にあります。それを正しく判断することも、設計監理業務の一つです。
■「間違い」を見逃さない、第三者の目で見守る
これが一番重要かもしれません。設計事務所は施工会社とは別の独立した立場です。工事が始まれば、設計図通りに間違えずに造られているか、建築主様の代理人として現場を確実に監理することが大切です。また万一、設計図面内に齟齬が生じていた場合には、どちらが建築主のイメージした物なのかを判断し、適切に処置・対応・指示・協議することが大切です。
つまり設計監理料は「工事費を適正にコントロールし、欠陥のない家を保証するためのサポート料」と言い換えることができます。
3.総額で考えると、実は「賢い選択」になることも
設計事務所に依頼すると、施工会社一社だけの言いなりにならずに済みます。複数の建設会社に見積もりを依頼して比較検討したり、予算に合わせて材料を工夫したりすることで、予算内で最大限のこだわりを実現することが可能です。「設計料があるから総額が高くなる」のではなく、「設計料を払うことで、工事費全体の透明性を高め、納得感のある家づくりができる」のです。
4.あなたにとって「一番のパートナー」は誰ですか?
もちろん、設計事務所がすべての方に最適とは限りません。「あらかじめ決まった仕様の中から手軽に選ぶだけで充分」という方には、他の選択肢も合理的でしょう。しかし、もしもあなたが
- 「自分たちらしい、暮らし方を形にしたい」
- 「家造りのお金の流れを、理解しながら適切に使いたい」
- 「工事の質をプロの目でしっかり見守り、完成後は安心して暮らしたい」
とお考えなら、設計事務所という選択肢は、これ以上ない安心材料になるはずです。
家造りは、人生で一番大きな買い物です。「いくらかかるか」という数字も大切ですが、それ以上に「誰が、どの立場で、あなたを支えてくれるのか」という視点を大切にしてみてください。天工舎一級建築士事務所は、常に建築主であるあなたの側に立ち、完成まで、そして住み始めてからも伴走し続ける存在でありたいと考えています。
「こんなこと聞いてもいいのかな?」という小さな疑問からで構いません。まずは一度、あなたの家づくりの夢を聞かせていただけませんか?お茶を飲むような気軽な気持ちで、お問い合わせを、お待ちしております。